2009/04/20

2009 world team trophy~女子FP 感想~

国別対抗、終わりましたね。
ファンには「お遊び」大会と揶揄されていた試合でしたが、
けっこう中身の濃い大会だったと思います。
ISU公認だけありますよね。
世界選手権も終わって、選手は長い休みを取りたい時期だろうに。
本当に選手の皆様お疲れ様です ☆(o・ω・o)ゝ☆

そして、このブログも信じられないほどのアクセス数が… Σ(o゚д゚oノ)ノ凄ッ!
一日20アクセスぐらいしかなかったブログなのに、
急に70とか、80アクセスに…
もしかしたら100の大台を超えるのではないかと驚いておりまする (^^ゞ
いまさらながら日本のフィギュアスケートへの関心の高さを実感しています。

ところで、最後に女子の感想を。

まずは浅田選手から。



最後の最後でやってくれましたね。
世界選手権とはまさに見違えるような演技。
やはり浅田選手は「天才」なのだなと実感しました。
並みの選手だったら絶対にできませんよ。
そのまま調子を崩して終わり。
ルッツの矯正などたくさん課題を抱えているにもかかわらず、
ここまであの難プロを完成させるとは。

正直、私はこのプログラムは完成することはないと思ってました。
もしかしたらタラソワ本人もそう思っていたかもしれません。
それぐらい難しいプログラムです。
むしろこのプログラムは、「選手養成ギブス」プロ。
タラソワの目的はこのプログラムを完成させることではなく、
このプログラムを通して、来季のOPに向けての選手の力を底上げするためだったわけで…

しかし、浅田選手は天才の名に恥じず、
私たちの想像をはるかに超えたことをやってのけてしまった。
この難プロを完成させるという。

もちろん回転不足などDGの問題はありましたが、
すべてジャンプを着氷できたというだけでもすごいと思います。

でも、やはり3A2回はすごく体力を使うんですね。。。
そのあとのジャンプがけっこう不安定になっていたので、

やはり3Aのコンビネーションは回転不足をとられてしまったし。

3Fも厳しいかなと思ったんですが、
3F-2Loのコンビネーションをやっているのを見たとき、
フリップに入るときに軌道がいつもの浅田選手らしくなかったんですよね (´・ω・`)
ちょっとつんのめったような感じになっていたというか。
とにかくフリップの入りがいつもよりきれいじゃなかった。
なので、そういうこともDGの要因になったのかなと。

3Aのコンビネーションに対しては厳しすぎると思いますね。
4分の1以内に収まっているとは思うんですが、
何せいまのジャッジシステムは難度の高いジャンプに対しては
非常に厳しく判定しますから。
4T、3Aに関しては4分の1以内におさまっていても
ジャッジによっては容赦なくDGしてきます ( ̄‐ ̄#)

特に浅田選手の場合、前にも書きましたが3Aのコンボにすると
回転が足りなくなってしまう傾向があるので、
余計目をつけられてしまったのかと。

もちろん点数調整という側面もあったと思いますが。


今回の国別対抗戦の浅田選手のSPの点数には
はっきりいってあきれ返っているところです 

いったいどの面下げて、ジャッジはこの点数を出せるのか。
鉄面皮とはまさにこのことですよね。

そして、日本人、完璧にナメられてます
だってぶっちゃけこういうことでしょ、

世界選手権でキムヨナに76点も銀河点あげちゃったけど、
浅田選手もがんばればこれだけの点数は出せるのよ、
どうか、怒らないで、もっとスケート見てね、ISUにお金を落としてね。

って、ふざけるな!!!! 凸(`0´)凸 凸(-0-メ) Fuck You!!

正直、浅田選手の点数も十分高すぎると思いますよ、私は。

どう考えても彼女の点数は72点ぐらいが普通ではないかと。
それでも、高いぐらいだと思っています。

でも、ショートで3Aを初めて(ISUの公式試合として)決めたという功績を考慮すれば、
70点以上が出てもおかしくないという感じ。
それでようやくファンも納得できるというもの。

しかし、どうしてもキムヨナの記録超えだけは阻みたかったのか、
フリーで不可思議な点数調整・・・。浅田選手の不動の3FにDGで・・・。
もっとうまいやり方もあったろうに・・・。PCSを全体的に下げるとかさ・・・
マスコミお得意のことをすればいいじゃん。「浅田選手には表現力がない」って。

まあ、仕方がないといえば仕方がないと思う。
私もキムヨナの記録を超えさせることはさせないだろうと思っていたので。

もともと大技のないキムヨナ選手に、
「史上初の○○をした選手」という記録をつくることはできない。
逆に、浅田選手はすでに「国際大会初の3A二回成功」という記録を作った。
しかも、この国別では「SPで3AをISU公式大会初成功」という記録まで。
今季、実は二つも大偉業を成し遂げている。

かたや、キム選手は浅田真央のような記録は逆立ちしても作れない。
これでは浅田真央とライバル関係をあおることができないと踏んだのか、
代わりに、「紙の上の記録」を作ってあげた。
これが「女子選手初の200点超え」と「女子史上最高得点」。

これで二人の均衡を保とうとしたのでしょうが・・・

こういう得点なるものは選手の実力と比例して出されなければならないものなんですよ。

プルシェンコがいい例ですよね。
彼がトリノ五輪で出した史上最高SP得点90.66はいまだに破られていませんが、
彼の実力を考えれば、あれぐらいの銀河点が出ても納得はできる。
実際、4T-3T 、3A、3Lzと誰よりも高い基礎点に加え、
ステップやスピンのほとんどがレベル4だったのですから。

だけれども、たいして大技を持っているわけではないのに、
わけのわからん芸術性やジャンプの「質」やらに高い得点を出しても
納得できないんですよ、ファンは。

今回の点数はあまり信じないほうがいいと思います。
浅田選手はいつ下げられてもおかしくない状況にあると思ったほうがいい。

今回の国別は、参考程度ぐらいに考えておいたほうが・・・

ISUはフィギュアスケートをどういう方向に持って行きたいのでしょうか。


話がずれちゃいましたね (^ω^;)

次に、安藤選手の感想を。



まずはSP、すばらしかったですよね~
わたしは安藤選手のダイナミックなジャンプが大好きなんですが、
それだけに最初のコンビネーションジャンプのDGは残念でした。
って、どうしてあれがDGなのか。まったくいまのルールはクソですね。

本当にこのプログラムは、安藤選手に合っていると思います。
安藤選手は新たな表現を開拓したのではないでしょうか。
大人の女性の情感あふれる表現がすばらしいです。

それだけに、FPの転倒は本当に残念でした。
肩は大丈夫なのでしょうか。
来期はオリンピック、あまり無理をしないでほしいものです。

4回転の挑戦はすばらしいと思いますが、
そのために怪我をしてしまっては元も子もありません。
特にいまのジャッジシステムでは、無難に無難にプログラムをこなすことが大事。
無理な大技に頼って自爆してしまっては
かえってメダルを逃してしまいます。
浅田選手、キム選手の影に隠れてしまっていますが、
安藤選手も十分金メダルを狙える選手です。

4回転挑戦はオリンピックが終わってからもできること。

もしかしたら安藤選手は4回転をやらなければ、
浅田・キム両選手には勝てないと思っているようですが、
そんなことはありません。
彼女のように難度の高いジャンプを、ミスなく跳べる選手はなかなかいません。

それよりも、いま飛べるジャンプの精度をさらに上げ、
他のエレメンツの底上げを徹底してやるべき。

まあ、わたしみたいな素人がいわなくても、
優秀なコーチがきちんとやってくると思いますが。


それと、最後に。
ジャン選手、とうとう3F-3Tのコンビネーション、認定されたんですね。
おめでとう! (*´∀`)o∠☆゚+。*゚PAN!!★゚+。*゚。
フラット選手は、逆に残念でした。
どうしてあんなきれいな3F-3Tが認定されないんでしょうか。
某選手が認定されるのであれば、フラット選手のも認定されてもいいのに。

本当にいまのジャッジって不思議ですよね。
幅が広く、飛距離の高いジャンプをする選手に対しては高く評価するのに、
やや飛距離と高さは劣るものの、
回転速度の速さでカバーするジャンプに対しては低い評価した与えない。

わたしはジャンプも個性だと考えていて、
多少癖のあるジャンプでも、その選手の個性が出てればいいと思ってしまうのですが、
今の採点制度では、そういう個性のあるジャンプは「質の悪い」ジャンプだとされてしまう。
これはあまりいいことではないような気がしますが…

このことについてはいずれ詳しく書きたいと思います。

2009/04/18

2009 world team trophy~男子SP・FP 感想~



いやあ、ジュベール、すばらしかったですね ルン♪ (≧▽≦) ルン♪
会心の演技!
世界選手権のフリーのときは本当にかわいそうで、
正直、ジュベールってあんまり好きな選手じゃなかったから
(むかしのプルsage発言などで)、
あまり演技を見ても心弾かれるものはなかったんですが、
でも、あのフリーの落ち込みっぷりは
さすがのわたしでもかわいそうだと思いました。

でも、国別のSPはユーロを上回るような演技でした。
3Aはお手付きをしてしまったんですが、
ジュベールがこんなにもステップのうまい選手だとは思わなかった。
昔は本当にジャンプだけで、スピンやステップもうまくならないと
プルには勝てんぞと思っていたんですが、
本当にうまくなりましたよね、ステップ。
ホントに感動した 。゚(PД`q。)゚。




あと、ライサのフリー! さすが世界選手権王者に恥じない演技でした。
世界選手権のときよりも良かったのでは???
私の見るところ、国別のほうがプログラムをものにしているような気がしました。
ステップも本当にすばらしいし。
やっぱタラソワのプログラムは秀逸だなと思いました。
彼女のプログラムは難度の高いものばかりですが、
こうやってモノにできれば、すばらしい演技になるのだと改めて思い知らされました。




それと、Pチャン。
正直、彼もあまり好きな選手ではなかった。
わたしはクワド厨なので、クワドを跳べないPチャンを『乙女』と認定してたんですが、
いまさらながら、彼のスケーティングのすばらしさ、ステップワークのすごさに気づきました。

本当にすごいね、彼のスケーティング。
すごくなめらかで、エッジワークの使い方がうまくて、
氷ののせ方がすごくうまいんでしょうね。
フラットになることがほとんどなくて、氷に吸い付くような感じ。
だから、ああいう複雑なステップを踏んでもこけることがない。
いろいろいわれてはいるけれども、やはりすごい選手だと思いますよ。

わたしにとって、史上最高の選手は(男女合わせても)プルシェンコだと思ってますが、
このスケーティングに関してはチャンのほうが優れているかもしれませんね。
プルシェンコはエッジの使い方がやや浅いところがある。
だから、細かく、速くステップを刻むことで欠点をカバーしてる。
プルが復活してきたら、やはりチャンは強力なライバルになることでしょうね。

ただ、ジャンプがねえ。。。失敗多すぎ。
しかも、3Aひとつも成功しないで151点ってどういうことよ (≧皿≦メ)
しかもすっぽ抜けた2Aに加点がついてるなんて、どう考えたっておかしいでしょ???
新採点制度の問題点がそのまま出てしまった点数だよねぇ、これ。

3Aの回転不足<3Aのすっぽ抜け、または転倒

というふうになってしまう。
これは早急に改善したほうがいいと思いますね。

あとPCSね。どうして9点とかつくのよ。
たぶんこのまま来シーズンに突入したら、
彼のPCSはおそらく9点台がそろうような気がする。

これはかなり危険な兆候です。
9点をチャンにあげるのは間違っていると思う。
彼は優れたスケーターだけれども、9点台のPCSを出せるようなレベルの選手ではない。
それならば、小塚選手だってもっと高く評価されていいはず。
にもかかわらず、PCSで明らかに差がついているのはどうかと。

まあ、こういう見方をするのは好きではないですが、
それでも、やはりなんとしてもチャンに
オリンピックの金メダルを上げたいのかなと穿ってしまいますよね。

もっとファンの納得のいく採点をしてほしいものです。

2009 world team trophy~女子SP 浅田真央 感想~



国別対抗戦の浅田選手のSP、すばらしかったですね (ノω`*)
SPに3Aを投入するなど、いくら天才の浅田選手でもむずかしいのではと思いましたが、
さすがは天才、杞憂でした (^ω^;)

すばらしい3Aでした。以前は3Aが決まってもツーフットになることが多く、
あまり質の高い3Aとはいいがたかったのですが、
今シーズンの3Aはすばらしい。
以前よりもずっと高さがあり、軸もずっとしまって質の高いジャンプをするようになりました。
あとはもう少し飛距離が出るようになればさらに良くなると思います。

ただコンボにしてしまうとちょっと3Aの精度が落ちるのが難点かな。
単発のほうがずっとクリーンに降りていることを考えれば、
3Aのコンボはいつも4分の1ぎりぎりで降りてきているので、
もう少し精度を高めないといけません。
あと、セカンドジャンプの2Tも今回はぎりぎりだったので、
こちらも改善の必要性あり。

と同時に、やはりセカンドジャンプのTに対しては
かなり認定が甘いのかなと思ったりもしました。
loは来シーズンは回避して、3Tに変えるべきです。
たぶん浅田陣営もそうしてくると思います。

浅田選手は実は3Tが苦手なんですよね。
トーループは最も簡単なジャンプなのに。
たぶん簡単すぎてあまり練習しなかったのでしょう。

でも、3F-3Tのコンビネーションを必ずしも飛んでいないわけではなく、
前シーズンやジュニアの頃にも飛んでいたので、
たぶん練習すれば回転不足なく飛べるようになると思います。

ファンのなかにはなぜ今シーズンからセカンドの3Tを投入しなかったのかという批判がありますが、
私が思うに、3F-3Tを投入してもキム選手の3F-3TにはGOEの面で勝てないと踏んだためかと。
ルッツは矯正中で、高いGOEがつくわけでもないし、逆にeがついてしまう可能性さえある。
そんななか、キム選手に少しでも上を行くためには
セカンドジャンプにloをつけざるを得なかったというのが本心ではないでしょうか。。。

もし今季決まれば強力な武器になることは明らかですし、
どんなにキム選手のコンビネーションにGOEが高くついても、
基礎点が高い3F-3loの点数には勝てない。

しかし、誤算だったのは今季のセカンドジャンプのLoの回転不足を
より厳しくとられるようになっていたこと。

浅田選手のジャンプは去年よりもずっと精度が高くなっていると思うんです。
前よりもジャンプに高さが出てきたし、
おそらく成長も止まって身長も安定してきたこともあって、
よりジャンプが安定してくるようになった。

にもかかわらず、3F-3loが前シーズン以上に認定されなくなってしまったのは
浅田陣営にとってはひじょうに痛かったと思う。

結局、浅田選手は今年に入って3Loを2Loに変えることによって、
四大陸では認定されましたが、
フリーでキム選手より浅田選手のほうが点数が上回ってしまうことがわかったのか、
世界選手権のフリーでまたDG。
そして、今日の国別のフリーでもDGされています(※)。
本当にloに関しては非常に厳しいです。厳しすぎると思います。

(※訂正:いまさっきプロトコルをみてきました。loではなくて
3Fに<が刺さっていたんですね。 なぜ???)

安藤選手のSPもそうでしたよね、
どう見たって肉眼では完璧に回りきっているのにDG (-"-怒)
いったいあれ以上どうしろっていうのよ

おそらくセカンドジャンプの3Loは認定されないと思います。
今シーズンルールが改定されて、回転不足判定を緩やかにするといってますが、
結局はジャッジの裁量権が増しただけで、
より恣意的な判定が出ることは確か。

ここはきっちり3Tの習得に専念すべきです。
もちろん安藤選手も。
たぶん両陣営もそうしてくると思いますが。。。



それと、最後に。
すごく気になったのですが、
まあ、なんと浅田ファンのゲンキンなこと。
世界選手権のときは、『月の光』は地味でインパクトがないとかさんざん悪口をいっていたのに、
国別での演技を見て、やはりこの曲はいいとか賞賛しだして。。。

初めからわかっていたことではないですか。
このプログラムは非常に難度の高いプログラムだということを。
浅田選手自身も言っていますよ、
『自分自身で盛り上がりを作っていかないと、地味になってしまう』と。

このプログラムは、浅田選手の表現力を鍛え上げるためのプログラムなのであって、
『勝つ』ためのプログラムではありません。
そして、浅田選手のプログラムは
実は2006年シーズンから『挑戦的な』プログラムをやり続けている。

気づきませんでしたか?
シニアに上がってからの彼女のプログラムで使用する曲が
オペラなどの物語性の強い曲ではなくて、抽象的な曲が多いということを。
これもまた彼女の表現力を鍛えるためにあえてこういうタイプの曲を選んでいるんだと思います。

浅田選手はまだ18歳です。ひじょうに若い。
こういう若い選手が音楽を表現するのは非常に難しいことだと思います。
なので、たいていはオペラや映画のサントラなど物語性の強い曲を選んで
選手にその音楽に入り込ませやすいようにしてあるものです。
キム選手がいい例です。

しかし、浅田選手はそういう曲を選択していない。
みんな選曲がおかしいとかいっていますが、そうではなくて、
あえて抽象的な曲をやらせることで、
自分自身で想像力を膨らませ音を表現させる力をつけさせる。

浅田サイドは実はシニアに上がったときからすでにバンクーバーを意識してるんですよ。

なので、浅田選手の選曲がおかしいとか決め付けるのはやめましょう。
『浅田真央 16歳』にも書かれてあるのでしっかり読みましょうね。


仮面舞踏会もそうですが、これも浅田選手の表現力を鍛え上げるための曲です。
浅田選手といえばどちらかというと『陽』のタイプの選手で、
こういうダークで、退廃的な雰囲気の曲を表現するのは苦手なタイプだと思います。
しかし、タラソワがあえてこの曲を選んだのは、
浅田選手の新たな側面を引き出そうとしたからだと思います。
それが失敗したか、成功したかはファンの主観によるかと思いますが、
わたしは成功したと思っています。

彼女にこういう曲が表現できるとは正直思っていなかったので、
すごく新鮮に感じました。
もしかしたら、こういうタイプの曲はキム選手のほうがもっとうまいかもしれませんが。
それでも、どちらかというと華やかで天真爛漫なタイプの浅田選手が
こういうどろどろした世界観のある曲をそれなりに表現しようとしたということは、
いまは無駄かもしれないけれども、
これから先のスケート人生において非常に実りのあるものだったと思います。

また、これもひとつ、思うことなんですが、
どうしてもっと長い目で浅田選手を見れないのか。
彼女はまだ18歳ですよ。
バンクーバーだって初めてのオリンピックじゃないですか。
次のソチオリンピックに出たって、まだ24でしょう?
まだまだこれからの若い選手なんです。
それなのに、どうして目先の成果や勝利にとらわれてしまうのか。
たかがひとつの試合で、台落ちしたからって
浅田真央は終わったという風にいうのはまちがいだと思いますよ。
もっと長い目で、温かく見守っていくべきだと思います。
ファンがそのように煽ってしまうと、
浅田選手もまたがんばらなくてはとあせってしまい、
かえって怪我などにつながっていくと思います。
もっと気長に、あたたかい目で。

彼女が女子フィギュア選手としては稀に見る、
もしかしたら、『プルシェンコ』のような存在になれる選手かもしれないんです。

表現力がない、顔に表情がないといいますが、
プルシェンコだって浅田選手と同じ年のときは
『ミーシンの操り人形』だといわれていたんですよ。
コーチの言われたことしかできない機械のような選手だと。
ですが、彼の18歳の頃の動画を見てみてください。
どうして彼に『表現力がない』といえるでしょう。




キム選手が優れた『演技力』を持っているからといって、
浅田選手にも同等のものを求めるのは間違っているし的外れ。

表現力は成熟するについて自然と身についていくもの
それをファンをじっと見守っていくべきだと思います。

2009/04/11

真の天才とは?~エフゲニー・プルシェンコを見る その1~

ブログをやっている方はみんなやっていらっしゃると思いますが、
このブログもいちおう、キーワード解析の集計を取っておりまして、
毎日どういうワードを検索して、ここにやってくるのかを見ているんですが、

存外に「プルシェンコ」というワードが多く、
彼に関心を持っている方が多いのだなと思いました。

もちろん、今回の世界選手権の疑惑の採点と絡めてなのですが。


どうでしょうかね (。-`ω´-)ンー

長年フィギュアを見ていらっしゃる方なら、
プルシェンコを知らない人はいないと思うんですが、
浅田選手が注目されるようになってから見始めた方は、
意外と彼のことを知らない人が多いのではないでしょうか。

もちろんyou tubeやニコ動に行けばたくさん動画があるし、
彼の演技をたくさん見ることはできるんですけれども。
実際ここにもいくつか紹介してますし。

でも、皆さんの関心はおそらく別なところでしょう。

ぶっちゃけこういうことですよね。

キムヨナはプルシェンコよりもすごい選手なの????

ならば、実際に見てみましょう、エフゲニー・プルシェンコの演技を。
そして、キムヨナと比較してみましょう。一目瞭然です。

プルシェンコはフィギュア史上最高の選手だと思います。
そのことは、彼が好きだとか嫌いとかは別として、たぶん誰もが認めることだと思います。
おそらくプルシェンコ自身も自分が天才だと知っていると思います。
自他共に認める天才というところでしょうか。

彼の天才ぶりはジュニアのころからいかんなく発揮されています。

まずはこちらの動画から。 ↓↓↓↓↓



プルシェンコ13歳のときの演技です。
なんというか・・・ Σ(o゚д゚oノ)ノ凄ッ! ですよね
この年齢ですでに自分のスタイルというものを完成させているような気がします。
とても13歳の子どもとは思えない、大人顔負けの風格と表現力。

まさしく神童の登場です。


次の動画はこちら。プルシェンコ15歳。



1998年の世界選手権のEXです。
おそらく、この年にシニアデビューしたんじゃないのかな。
イリア・クーリックが棄権したのを受けて補欠で大会に参加するも、
初出場でいきなりの銅メダル (´・ω・`;A) 
そして、このEX。

彼はエンターティナーとしても有名で、
これ以降、たくさんの面白いEXをすることになるんですが、
すでにその片鱗が見え始めています  ヒィー(>ω<ノ)ノ

観客をあおったり、ジャッジを笑わせたり、
はっきりいって15歳のガキがすることじゃねーーー( ̄▽ ̄lll)


プルシェンコはこのシーズンが終わったあと、次のシーズンから
4回転ジャンプをプログラムに入れてくるようになります。

その動画がこちら。



1998年スケカナより。
4t-3tが決まって思わずガッツポーズをしちゃってます (〃▽〃)ポッ

ちなみにプルシェンコはこの大会で
エルヴィス・ストイコを破り、見事優勝。

彼のすごいところは、めったに転ばないところ。
4回転の成功の確率も高い。
このジャンプに対する絶対的な安定感が彼の強さを支えているかと思います。


お次は、プルシェンコ17歳(もしかしたらまだ16かも)。
(追記:17歳でしたね、動画のはじめに年齢が出てました(^ω^;))



伝説のNHK杯。ちなみに、このときわたくし、14でした。。。
当然フィギュアのことなどまったく知らず…
もしこのとき彼のことを知っていればもっとたくさんリアルタイムで見れたのに
(しかも、何回も北海道に来たことがあったのに…)
いまさらながら激しく後悔しております …(´д⊂)‥ハゥ

そして、古参のファンの方もこの試合を見てから
ファンになった方も多いようです。
そりゃ当然でしょう。
何しろ世界ではじめて4T-3T-2Loのコンビネーションジャンプを成功させたのですから。
以後、プルシェンコはフリープログラムで
4T-3T-2Loを入れてくるようになります。


そうして、しだいに頭角を現してくるようになったプルシェンコは、
やがて宿命のライバル、ヤグディンとの壮絶な死闘を繰り広げることになるのです。

続きは次回にて。

世界フィギュア2009 総括~キムヨナって浅田真央よりも強いの?~


いやー、すごいですね (;^ω^A

なにがすごいってブログの閲覧数。

いままでこんなに閲覧数が増えたことがなかったもので。。。(^^ゞ カキカキ

日本のフィギュアスケートへの関心の多さにいまさらながらびっくりしております。

わたくしのやっておりますブログ、
もともと洋楽を紹介するブログで、
特に洋楽雑誌にもあまり紹介されておらず、
または日本の洋楽雑誌のイギリス偏重主義の風潮から違った視点での
洋楽を紹介しようと言う趣旨のもと書いておりますので、
もともとの閲覧数は多くはないのです。
せいぜいがんばっても20ぐらいのカウントとか…( ̄▽ ̄lll)


なので少々おどろいておりまする (^^;

まあ、今年の世界選手権は本当に思うことがありすぎて、

たかだかフィギュアを見始めて4年ばかりのニワカなわたしでも、
本当にびっくりしてしまいましたわ 
まさか、あのプルシェンコを超える点数が出るとは…(((=ω=)))ブルブル
しかも、4回転コンビネーションを女子で初めて成功させたとかいうのではなくて、
2A三回で、サルコウもすっぽ抜けで、スピンもノーカンで、
それで浅田真央よりも上って…

どう考えても、はじめから優勝者は決まっていた気がする。
もちろん例のあの人ですよ。
たぶん浅田真央の二連覇はありえなかった、
というよりも絶対阻止したいと思っていたでしょうね。

こういう馬鹿みたいな高下駄高得点をジャッジが出させてしまった最大の要因は、
キムヨナ選手がまともにフリープログラムを成功させられないことなのでしょうが、

不幸にも、それと重なって浅田選手の不調もあったと思う。
3Aを二回成功させてればもう少し点差も縮まったと思うし、
真央選手も表彰台に上ることができたと思いますが。。。

でも、それ以上にやはりもっと浅田選手が
ほかの国の思惑をはるかに超えるような『強さ』を
まだもてないでいるっていうのも要因かと。

総合力で見た場合、
浅田真央とキムヨナどっちがすごいかといわれたら、
皆さんも感じている通り、絶対に浅田真央だと思う。
女子で3Aをあれほどの高い確率で決められるというのは、
天性の才能がなければできないこと。

しかも女子の場合、子どものときに高難度のジャンプが飛べても、
大人になれば飛べなくなってくる場合がほとんどらしいんですよ。
いちばんいい例が、浅田選手の姉の浅田舞選手。
彼女、実はジュニアのころ真央選手と同様3Aを飛べていたらしいのですが、
シニアに上がってから飛べなくなってしまった。
それどころか、成長期を迎えからだが大人になるにつれ、
ジャンプ自体が不調に陥り、いまスランプの真っ只中。

実は女性の選手って必ずこういう成長に伴う不調というものを経験するらしいのです。

浅田選手自身はおそらく2006年から去年の春ごろまでが
そういう時期だったのではないかなと思います。
そして、成長期を通過すると、3Aみたいな大技はできなくなる。
ところが、彼女はできなくなるどころかより確実性を高めてできるようになった。
おそらく3Aはもう大丈夫でしょう。
3lzのほうがいまの彼女にとってはむずかしいかもしれない。

こういう大技をそれほど不調も経験せずに決められるというのは
天性のものがなければ多分無理でしょう。

実はジャンプというのは、高難度のジャンプになればなるほど
天性の才能が要求されるらしいのです。
特に3A以上のジャンプは男子でも
才能のある人間でなければすることはできない。
しかも、14ぐらいのあいだまでに決められないと、
その後成功させるのはかなり難しくなる。
浅田選手は3Aを12歳のときに決めているらしいですから、
やはりすごい才能があるんでしょうね。


対して、キム選手はどうか。
彼女もすごく才能はあると思う。
批判は多いですが、やはりあの3F-3Tはすごいですよ。
ああいう幅と飛距離が出るジャンプって女子でもなかなか飛べないと思う。

わたしの少ないフィギュア観戦歴でも見たことがないですね。
しかも女子は男子の場合とは違い、あまり幅が出ないから回転不足のまま降りてきやすい。
しかし、キム選手の場合はそういう回転不足とは無縁のような気がします。
すごいスキルを持っているんでしょうね。

スケーティングもすごく伸びがあるし、
スパイラルをやらせたときの伸びは、
彼女、やっぱすごいと思う。
ポジションは確かに汚いけれども、
スケーティングの伸びはほかの選手よりも優れているんじゃないでしょうか。

そういうジャンプ技術の高さ、正確さではやや浅田選手のほうが劣るのかなと。

しかし、浅田選手の場合、キム選手とは違い回転速度が異常に早い。
ああいう回転速度を速くして高難度のジャンプを飛ぶ選手というのは、
ほとんどタイミングが要求されるから、
そういう点でも浅田選手のほうが才能は上なんですよね。

で、いまキム選手のジャンプは回転不足とは無縁だと書きました。
フィギュアを少しでも見ている人は、
『こいつ、なに書いてんだ』と思ったことでしょう。
そうですよね、彼女、すごくいま回転が足りてませんよね。

昔はそうでもなかったんですよね、
2006~2007年シーズンはいまよりもずっと回転不足は少なかった。
でも、今シーズンは本人の点数に反して
ジャンプの精度がぐっと低くなっているような気がする。

ループはもう飛べなくなってしまったし、
サルコウもかなり危ない、フリップのエッジも怪しくなってるし。。。
このままだと彼女、かなり危ないと思う。
OPシーズンまでうまく持たせることができるのか、ちょっと不安ですよね。

まあ、そのときはジャッジが助けてくれるとは思うんですけど…( - ゛-)

そう、キムヨナが強さってなにかっていえば、ぶっちゃけ「ジャッジ」ですよね。
わたしがいうまでもないことですが。
皆さんも感じている通りではないでしょうか。

彼らが彼女を強い選手と決めたからでしょうね。

わたしはフィギュアについては『ど素人』です。
裏側の事情については書物で書かれている以上のことは知りません。

しかし、誰を優勝させるとかいうのは大会が始まる前から
ジャッジとの話し合いである程度決まっているようなのです。

わたしがそれを知ったのは、
WFSという雑誌にカート・ブラウニング氏のあるインタヴューを読んでからです。

カートはこういってました。

「今度の世界選手権ではジャッジはペトレンコを勝たせるだろう。
負ける準備をしておきなさい」とコーチにいわれた。

すごいですよね。
こんなこと大会の前に言われたら、思いっきり萎えると思いませんか。
どんなに頑張っても優勝はできないんですよ。練習するだけ無駄ですよね。

もし同様のことを浅田選手がいわれてたとしたら???
世界選手権で高いモチベーションを持つことができたでしょうか?

わたしは今回の世界選手権は仕方がないと思う。
はじめからキムヨナを優勝させるつもりでいたから。
しかも、なにが何でも優勝させるという強い意志を感じました。
PCSを操作してでも、きたないまねをしてでも、なりふりかまわず優勝させよう。

浅田真央が高い基礎点を持っているならば、GOEを下げればいいし、PCSを操作すればいい。
とにかく日本人の二連覇など冗談じゃない。これにつきるんじゃないですか。

二人の実力に優劣をつけるのは間違っていると思う。
すでに、二人の実力の差は決まっているし、むしろ広がってきている。

浅田選手が戦わなければいけないのは、偏見であり、ジャッジシステムであって、
キムヨナではないと思う。
前にも書きましたが、彼女がプルシェンコのようになるためには
圧倒的な強さを見につけなければならない。
それこそ、ジャッジに付け入る隙を与えないだけの。

それと、ジャッジシステムを変えても無駄だと思いますよ。
日本人を何年もトップに立たせておくほど彼らは甘くはない。
どうせシステムを変えたって日本人のsageは続くんです。

だからこそ、絶対的な強さを身につける必要がある。

しかし、残念ながら、浅田選手にはまだ「強さ」が足りない。
もっといえば、まだ才能が完全に開花していない。
半分眠りながら滑っている状態。

ここから先は、タラソワの手腕が問われるのではないでしょうかね。

わたしはけっこう楽観してますけれどもね。
あのヤグディンを生まれ変わらせたひとですから。