2009/11/22

プルシェンコ復活で変わる!? 4回転時代の再来か?



《前回からの続き》

最後に。
フリーの衣装、とてもいいですね。
いまの彼に似合っていると思います。
肌襦袢のところがタトゥーみたいになっていて、すごくセクシーというか。
それに比べ、SPは個人的にはあまり好きな衣装じゃないな。
FPと似たような感じだし。変えたほうがいいような・・・
でも、トリノのときもSPの衣装はあまりよくなかったし、
逆にそっちのほうがいいのかな。
トリノの再現ということで、金メダルを取りやすいかもwww


とにかく、これでプルシェンコの現役復帰は果たされました。
あとはどうバンクーバーまでつないでいくか。
本人としてもそれなりに満足の行く試合になったのでは?
確かに点数は4年前に比べたら低いですが、
この4年間まったく試合に出ずに、持ち点もない状態で
これだけのスコアを叩き出せたということはかなりすごいことだと思います。
逆に、ほかの選手たちに大きなプレッシャーを与えたことは間違いない。

誰もがこれほどまでに完璧に彼が復活するとは考えていなかったわけですから。

これは明らかにこれからの競技に大きな影響を与えるでしょう。

まずは、4回転持ちの選手は大いに勇気付けられたはず。
ここ数シーズン、4回転ジャンパーたちは不遇の時代を過ごしていました。
特にジュベールは受難そのものだったような・・・
なまじ4回転が飛べるだけに、
ほかのジャンプでは過酷なまでのエラーを取られたり、
回転不足を指摘されたりしてました。
まあ、それでもジュベールはあの通りの性格の人ですからw
(俺のフリップはルッ(ry )
少々のことではへこたれてはいないとは思いますが、
それでも、今年の世界選手権のミスといい、彼にとってはつらい時期だったでしょうね。

しかし、プルシェンコの復活によりジュベールもかなり奮起したはず。
NHK杯での彼の演技にはそれが顕著に現れていました。
実際には実現はしませんでしたが、FPで4回転を三回入れると宣言したのも、
プルシェンコのあの4-3を見てのことだったと思います。

やはりジュベールにとっての最大のライバルはプルシェンコなのでしょうね。
個人的にはどうかとは思いますがwww
ですが、まがりなりにも2004年の欧州選手権ではプルに勝利しているわけですからね。
その後も、プルシェンコに挑発的な発言をして、彼を煽っていたこともあるし。
プルシェンコあってこそのジュベールなのでしょう。

ジュベールのプルシェンコを倒したいという強い気持ちが
ここ数シーズン折れかけていた彼の心に火をつけたのではないでしょうか。





このSPは本当にすばらしいですよね。
4-3もすごくクリーンに決まって。3Aもヤグディン並みに豪快でいいし。


このプログラム、本当にいいプログラムですよね。彼に合ってる。
前シーズンからのプログラムですが。
ステップだってすごく躍れてるし、スピンもいいし。
個人的に、ジュベールはジャンプだけの選手という印象が強かったのですが、
こうしてプログラム全体を通してみると、ステップも上手いし、
ほかの要素でもかなりの努力をしているのだなということが分かります。
トリノからさまざまな部分でかなり成長してきていますよね。
ジュベールはわたしと同じ年なので、個人的にはがんばって欲しいです。


反対に、4回転を持たない選手には不利になったかと思います。
特にカナダのパトリック・チャン選手。
チャンはスケーティングが恐ろしいほど上手いが、いかんせん、ジャンプが苦手。
もちろん決まれば、すばらしく質の高いジャンプなので
加点がてんこ盛りにつきますが、なにぶん成功率が高くない。
調子が悪いと3-3ですらまともにとべなくなってしまう。
先日のスケカナでも、3-3ができなくて、3-2となってしまいました。
3-2って、女子か!



今シーズンに入ってからは、3Aがまともに飛べなくなってきているような・・・
単発でもようやく飛べている感じなのに、
コンボにしたら余計飛べなくなってしまうような・・・
てか、チャンって3A-3T、成功させたことありましたっけ?
それとも、もともと3A-3Tにしていないのかな?
でも、3A-2Tもまともに飛べていないような・・・。
少なくとも、昨シーズンで成功させたところを見たことがない ャバィ・・(-ω-;)

それでも、彼の点数が相対的にほかの選手よりも高めなのは、
プログラムの『つなぎ』の部分が優れているからです。
実は、去年のシーズンからつなぎの濃いプログラムを滑る選手には
PCSをほかの選手よりも高くつけるよう、ジャッジに要請されているそうです。

そういうわけで、ジャンプやほかの要素がグダグダでも、
チャンには高い点数が出るようになっているわけで。
PCS的にはチャンは五輪の金メダル候補といえそうですが、
ジャンプではプルシェンコにかなりの後れを取ってしまったことは確か。

前にも書きましたが、
チャンは加点が2点、または時には3点が付くほどの
『質の高い』3-3のジャンプを飛びます。
しかし、どれだけ質の高いジャンプを飛んでも、4-3の基礎点には勝てません。
ましてや、プルシェンコの4-3にはかなりの加点が付きます。
仮にチャンの3F-3Tに3点の加点が付くとしましょう。それで、合計12.5点。
しかし、プルシェンコの4T-3Tは、たとえ加点が1点だったとしても、14.8点になるのです。
その時点で2.3点の差が付いてしまいます。
ましてや、プルシェンコの場合、加点が1点だけということはないでしょうから、
さらなる差がついてしまうでしょう。
基礎点という時点でチャンはすでに負けているのです。

それに、質の高いジャンプやらTRというものは
素人にはひじょうに分かりにくい。というか、良さを判断しにくい。
オリンピックともなれば、コアなフィギュアファンだけではなく、
フィギュアのルールも知らない、普通の一般人の多くが観戦することとなる。
そのときに、ジャッジはどう判断するのか。
もし五輪で、チャンとプルシェンコの両方がネ申演技をしたとしましょう。
そのときに、チャンのほうが『つなぎ』がよかったからと
プルシェンコよりも点数が高くついてしまったら、果たして観客は納得するでしょうか。

プルシェンコのほうが明らかに難度の高いジャンプを飛んでいるのに、
チャンは、素人の判断できない『つなぎ』やら『質の高さ』やらが
プルシェンコよりも上だからと、点数が高くついてしまったら・・・。
カナダ人は満足するでしょうが、ほかの観客は首を傾げてしまうでしょう。

いまの採点システムの最大の問題点は、ここにあると思います。
素人が見て感じる選手たちの演技のできの良さと
ジャッジの判断する点数が乖離しすぎているのです。
こういうことが五輪本番で起きたら、
ソルトレークの再演となってしまいかねない。
いや、塩湖のときよりもよりいっそう深い怨恨を残してしまう。

カナダは自国の選手を勝たせたいあまり、
ルールを改変させるという暴挙に出ていますが、
実はこの方法は、巧妙でうまくいっているように見えて、
ひじょうに危うい点も多いのです。

まず、誰もが公平だと思わなくなってしまうという点。
八百長があるのではという疑いが激しくなってしまう点があります。
そうでしょう。観客がその選手の演技が上手いと思っても
点数には反映されないのですから。

そして、第二に技術が退化してしまう点。
難度の高いジャンプを飛んでも加点が付きにくければ、
みな無難なジャンプを飛んで、高い加点をもらおうとするでしょう。

また、スピンやステップのレベルが細かく決まっているため、
高いレベルを取るために、誰もが同じ要素を取り入れてしまう。
そのため、選手の個性がなくなり、みな同じような演技となってしまう。
その結果、面白みがなくなり、観客はいっそうフィギュアから離れてしまう。

最後には、フィギュアスケートという競技自体が衰退してしまうという最悪の結果をもたらし、
最終的には、カナダ自身が自分の首を絞めていたということに気づかされると。

カナダ人の悲願はよくわかります。
エルヴィス・ストイコ、カート・ブラウニングといった優れた選手を
数多く輩出してきたにもかかわらず、
オリンピックでは不幸にも不遇だったことを考えれば、
彼らが、自国で開催するオリンピックで、
ぜひとも金メダルを取りたいという気持ちは分からないわけでもありません。

しかし、何事にもやりすぎてはいけません。
それはかえって自らの首を絞めてしまうのです。
その証拠に、プルシェンコが復活してしまいました。
プルの復活はカナダが最も想定していなかった事態でしょう。
しかも、単純な復活ではありません。
金メダルを狙えるレベルでの復活なのです。

カナダもプルシェンコに対してはどうすることもできません。
小手先のルールを変えても、プルシェンコを貶めることはできないのですから。
回転不足も取ることができないし、エッジエラーも取れない。
ジャッジだとて、フィギュアスケートの歴史を変えてきたこの天才に、
いまさらいちゃもんをつけることなどできないはずです。
彼こそが男子のフィギュアスケートの歴史そのものなのですから。

天才というものは、いつでもルールや時代を超越してしまうものです。

カナダはプルシェンコにすっかり恐れをなしてしまっているようで、
チャンを使ってプルシェンコを非難するという暴挙に出ています。


やはり『つなぎ』のなさをいろいろといっていますよね。
ロステレコムでの挑発的なパフォーマンスにも怒っているようです。

しかし、それは逆にカナダ陣営の焦りを暴露してしまっているようにしか見えません。

チャンは優れた選手ですが、プルシェンコのライバルとしては役不足。
凡人はどうあがいても天才には勝てません。
天才に勝つためには、自らを犠牲にしなければならない。
ヤグディンはプルシェンコに勝ちましたが、
その代わり、自らの健康を失ってしまうという大きな代償を払いました。
あのヤグディンでさえもそうだったのですから、
カナダもプルシェンコに勝つためにはそれなりの代償を支払うべきです。
だから、チャンも、小手先の『つなぎ』の濃さなどではなく、
正々堂々と、
自分の身を賭して4回転を飛ぶんだぞという意気込みで闘わなければ。
しかし、その代償がフィギュアスケートという競技全体の衰退だとしたら、
わたしは一生カナダを許さないけど。

どんなに『つなぎ』が優れていても、
人間、見た目の派手さ・すごさには勝てないのです。
最後には難度の高さ、誰もがやったことのない技に
惜しみない賞賛を送るものです。

プルシェンコの復活が、
フィギュアスケートという競技を正常化してくれる
何らかの手立てになってくれることを願ってやみません。


2009/11/21

劇的復活!-氷帝の帰還- プルシェンコ ロステレコム杯 FP考察 



お待たせいたしました。

次はFPです。

佐野稔解説バージョンでお楽しみくださいwww




感想は・・・、ほぼSPと同じなんですが。

正直、SPを見たときまだそれほど彼の復帰を信じていなくて
(ごめん、ジェーニャ ホジホジ( ゚┌・・ ゚)スマン)
「まぐれ」ということもありうると思っていたのですが・・・

やっぱり宇宙人は宇宙人でしたwww
地球に戻ってきても宇宙人の役割をしっかりと果たしておりました。

やっぱ、この人・・・天才だよね。

理屈とか常識といったものをかるーく超えてしまうんだよね。
ひとりだけ別の次元にいるような・・・
「ような」ではなく、実際いますよね。
しかも、それが4年たったいまでも異次元にいるわけで・・・

わたしもそう思いましたもん。

このヒト、いったい何なの?  ガクブル((ノ)゚Д゚(ヽ))ガクブル って。

だってね、考えてみてくださいよ。
ほかの選手がどれだけ4Tを飛ぶことに苦労しているか。
いまの若手の選手なんて、ほとんど飛べていないじゃないですか。
もちろん、いまの採点システムではわざわざ4回転を飛ぶ必要はありませんが、
それでも、まともに4回転を飛べる選手はいない。

同じロステレコムに出場していた小塚選手を見れば分かるじゃないですか。
単発の4回転を入れるだけでもひじょうに苦労をしている。
織田選手だってそうですよね。
練習であれだけクリアーな4-3-3を跳べても、
実際の試合ではできないんですから。

でも、このエフゲニー・プルシェンコという怪物は
約4年という選手にとっては長すぎるブランクをものともせずに、
昔と同じように、それどころか、トリノの頃よりもさらに精度の高い4Tを飛んでいる。
26(試合当時)歳の、スケーターとしては盛りのすぎた、高齢の選手がですよ。

いかにプルシェンコという選手が傑出しているかがよく分かります。

もはや理屈ではないんでしょうね。
体に染み付いた感覚が彼に4回転を飛ばせているんでしょうね。
コーチのミーシンがプルシェンコ復帰の最大の障害が「体重だ」といっていましたが、
彼のいっていた意味が今ではよく分かります。
タイミングとかスキルとか、そういったものは問題ではないんです。
それだけ彼の4回転の技術は絶対なのでしょうね。

なんという恐るべき才能・・・

プルシェンコを見るにつけ、浅田選手との差を思い知らされます。
もちろん彼女も天才なのですが、天才の次元が違うというか。
彼女はまだまだ発展途上だなと。
なんども同じことを書いてしまいますが。
ですが、だからこそ、彼には『宇宙人』というあだ名が付いているわけで。

そのほかのジャンプもすべてよかったと思います。
3Aもすばらしいですよね
すごく高さがあって、幅もあり、軸の取り方もよい。
佐野稔さんも「うめぇ!」と褒めておりましたwww

フリップはちょっとアウト気味だったかな。
かなりフラットに戻してきてはいるとは思うけれども。
エラーは取られていませんが、加点は少なかったですよね。

やっぱりプルシェンコ級の選手になると、
多少エッジに問題があってもジャッジは無視するんでしょうかね。
パトリック・チャン選手は明らかにそうですよね。
ジャンプの見栄えがひじょうにいいので
多少のエッジエラーがあってもジャッジは不問にしてしまう。
でも、あのプルシェンコにeなんてつけたら、
ロシアスケ連は抗議するだろうし、またプルサイドも黙っていないでしょう。
プルシェンコ対しては、ジャッジは「不可侵」って感じがするな。
まあ、ルールを変えたただ一人の選手ですからね。
手紙ひとつ書いただけで、コンボのルールが2つから3つに変わったんですから。
プルシェンコにはいちゃもんをつけられないのでしょう。

プログラム全体の構成もそれほど悪くはないのでは?
選曲も悪くはないと思いますよ。
最初どうなることやらと思いましたが。
意外にまとまってるし、プルグラムなのはお約束としてww、
マートンはいい仕事をしたと思いますね。
何十回と書き直しをさせられた成果が出ているかとwww
SPよりもいいんじゃない?
むしろSPの曲はかなりの手直しを必要とするかと思います。
あの、豚切りな曲つなぎはどうかと・・・
選曲自体は問題ないと思うんですよ、
やはり『戦場のピアニスト』はヤバイですからね。
ポランスキー監督、捕まっちゃったし (´-∀-`;)

難度の高いジャンプを前半にまとめて飛ぶのはいまさらって感じだな。
トリノの時だってそうだったし。
後年のプルシェンコのプログラムは、体の負担を考えてすべてそうしてましたから。
特に問題はないかと。
いろいろと批判はあるかと思いますけれども、
4回転を飛ばないで無難にまとめるよりはずっとましなわけで。
むしろ27歳になったプルシェンコが4回転を2回入れようとしていることを評価したいですね。
腐ってもクワド厨なんです。

ステップだって二日前に急遽こしらえたものにしては、それなりにレベルは取れていたし、
スピンも、最後はスタミナが切れて回転が遅くはなっていましたが、
レベル取りには問題はなかったし、それほど悪くなかったかと。
シットも以前よりも浅くはいっていたし、
バリエーションもレベルを取れるよう構成されていたので、
このままでもいいのではないでしょうか。
個人的にはドーナツを見たいですけれどもね。

ただ、SPもそうでしたが、
つなぎの部分についてはもっと改善しなければなりませんよね。
TRがSP同様6点台ですからね。
チャンのプログラムに比べたら、かなりスカスカだしwww
ですが、これもきちんとバンクーバーまでに直してくるとは思いますけれども。

あとコンボも、3連続コンボがなかったので、そこをどうするのかが問題かな。
本人としては4-3-2を入れたいと思っているのでしょうが。
ただ4-3-2ってどうなんでしょうかね。
もちろん一ファンとしては4-3-2を見たいですが、
加点とかTESという点で果たしてメリットがあるのかどうか。
4-3をより正確に飛んで2点の加点をもらうほうがいいような。
きっと4-3-2を正確に飛んでも、
せいぜい1点ぐらいしか加点が付かないような気がするんですよ。
それならば、より正確な4-3を飛んで、
体調が許すのであれば、もうひとつ単発の4回転を
入れたほうが点数的にはお得なような。
いまのルールって簡単なジャンプをより正確に飛んだほうが有利ですからね。
でも、3-2-2はプル的にはプライドが許さないだろうな。
よほどのことがない限り、入れてこないと思いますね。
もし入れるとしたら、彼の怪我の具合がよくないときだけかと。
たぶん想定さえもしていないんじゃないかな。

あと、スタミナも気になります。
最後はほとんど流していただけだったので。
スピンの回転が遅くなっていたし。
まあ、これも直してくるとは思うんですがね。
本人も「7割の出来」といってますし、
スタミナ、コンボ等の問題点も把握していますから、
あとはできるだけ無理をせずに、試合をこなすことですよね。
しつこいようですが、
プルシェンコにとっていちばんの敵は「怪我」でしょうから。

《続きます》


2009/11/17

劇的復活!-氷帝の帰還- プルシェンコ ロステレコム杯 SP考察 



みなさま、大変お待たせいたしました。

プルシェンコのロステレコム杯を取り上げていきたいと思います。

前にも取り上げましたけれども、改めて動画をうpします。
まずはSPから

(追記:日本語バージョンを見つけました)



これほどまでに鮮烈で、かつ、劇的な復活劇はないでしょうね。
正直、ファンであるわたしですらプルの復帰を本気で信じてませんでしたもん。
あの数ヶ月前のメタボッ腹を見たらねぇ~。
それに、明らかに金目当て過ぎる恋人(=現奥さん)とか、
あのコラボした怪しい歌手とか・・・
もうスケートとかけ離れたところでしか話題にならないという。
スポーツ選手であることすら忘れたのかと、
すごく悲観的になっていましたが、
拙ブログでもこんなことでいいのかとさんざん書き立てましたし、

ですが、まるでそんなことなど嘘だったかのような復活劇。

現役バリバリ時代を髣髴させるような
きれい過ぎる回転の4T-3Tに3A。
なぜかルッツは2回転でしたがw
約4年ぶりの試合復帰を考えれば
プレッシャーが多少なりともあってもしかたがないと思うので、
最初の2つの難度の高いジャンプをこなして気が抜けたのでしょうね。
ま、ご愛嬌ということで。
そういうところも天才らしいというか・・・・
なぜ、ここで!? ∑(*゚ェ゚*) というところでねぇ。
さすがはプルシェンコwww

ただプログラム全体の出来としてはまだまだという感じはします。
今回は、あくまでも試合でジャンプが
きちんとできるかどうかという点に焦点を絞ったという感じ。
スピンも以前のものに比べたらかなり良くなってはいるものの、
レベルが取れていないところもあるので、まだまだ改善しなければならないでしょうし、
ステップもちょっと雑でした。
そして、何よりもプログラム全体がまだ未完成というか、
つなぎがほとんどなく、ただ流しているようなプログラム。
TRが6点台だったことを考えると、
もっとプログラムを手直ししなければなりません。

もちろんプルシェンコ陣営はきちんとそのことを考えていると思います。
事実、トリノ五輪のときは試合のたびに振り付けを変えて、
点数が取れるように試行錯誤していましたから、
これからの試合を見ながら、プログラムを改善してくるでしょう。

また、約4年のブランクがありながらも、
82点台を取れるのは立派。
ルッツの失敗がなければ88点は取れていたと思うし、
またPCSも上がっていたと思うのです。
そういうことを考えれば、この点数は妥当。
格段低いとは思いません。

それに、ロシアはプルシェンコの地元です。
やはり地元のスターに対しては、ある程度の「上げ」が存在するのも事実。
プルシェンコの点数自体はそれほど高くはありませんでしたが、
逆に、ほかの選手の点数を抑えることで
プルシェンコの点数を相対的に高くしたという印象は否めません。
プログラム全体の出来としては
2位の小塚選手のほうがまとまっていました。

それでも約4年のブランクを考えれば、
ここまでジャンプを完成させてくるのは立派かと。
宇宙人の本領発揮というところですね。
浅田選手にもこういう「強さ」がなければなりません。
他を圧倒するような、有無を言わせぬ強さを持たなければ。

これでプルシェンコに対してジャッジは何もいえなくなりました。
少なくともジャンプに関しては。
これほど完璧なジャンプを飛ばれてしまっては、DGのしようもありません。
プルシェンコの強みはなんといっても、回転不足とは無縁なジャンプの確かさにあります。
彼の場合、むしろ回転不足のまま降りてしまえば転倒してしまう。
それぐらい「完璧な」ジャンプなのです。
疑惑の採点・加点など起こりようもありません。
事実4T-3Tの加点は1.2点と
近年の4回転ジャンパーでもなかなか出せないような加点をたたき出しています。
採点競技は試合の積み重ねによる実績がものを言いますから、
プルシェンコの今回の試合でたたき出した点数は
バンクーバーに向けて確かな布石となることは間違いないでしょう。

そして、また他の選手にも計り知れないプレッシャーを与えたと思います。
特に4回転を飛ばない選手に対してはかつてないほどの重圧なのでは?
3-3のコンビネーションをどんなに完璧に飛ぼうとも、
4-3の基礎点が違う上に、1点以上の加点が付くことを考えると、
それだけで3点近くの差が出てしまいます。
技術点でプルシェンコに差をつけるのは難しくなってしまいます。

それにプルシェンコが他の選手よりも有利なのは、
ジャンプに問題がない分、
ほかの要素やプログラムの手直しをすれば
まだまだ点数が上がる余地があるということです。

3-3しか飛べない選手がいまから4回転を跳ぶのは無理です。
しかし、もともと4回転もちの選手が、ジャンプを取り戻しさえすれば
あとはほかの細かい要素を改善させていくだけなので、
ほかの選手に比べたら圧倒的にラクだし、
心理的負担も軽いかと思います。

ただプルシェンコは深刻な怪我を抱えていますし、
事実、満身創痍なわけですから、
バンクーバーまではできるだけ無理をせずに、
怪我のないまま試合に臨んでいって欲しいです。

たぶんプルシェンコにとっての最大の敵は「怪我」でしょうね。

もしかしたら五輪二連覇もありうるかもと思っております
(ファンの贔屓目かなwww)



2009/11/16

2009 スケート・アメリカ キム・ヨナ SP FP 考察



みなさま、本当にお久しぶりです。

m(o´・ω・`o)mペコリン

10月23日以来まったく更新されず・・・

大変申し訳ありません ゴメンナサ──・゚・(。>д<。)・゚・──イ

実は先月末から自動車教習に行っておりまして、
免許取得中でございます。
今月末に卒検があるので、それまでは頻繁に更新するのは難しいかと・・・

もしかしたら来月もかかってしまうかも・・・
ぜんぜん運転がへたくそで、
仮免取得のときも補修いっぱい受けさせられて、
それでもぜんぜんできなくて、
「何回練習しても仮免通らないかも」と教官に言われてしまう始末・・・(´-∀-`;)
まあ、それでも努力のかいあって一発で通りましたが、
路上に出てもへたくそ運転は相変わらずで・・・
方向転換がどうしてもできずに、
我慢の限界に達した教官は横で寝てしまいました・・・・(´Д⊂ ダメポ
ちゃんと卒検までいくのか不安です。

ですが、可能な限りはがんばって更新したいと思います。
今日は少しがんばってプルシェンコのロシア杯での考察や
浅田選手の今後などを書いていきたいと思います。


が、その前にキム・ヨナ選手のスケアメについての考察を少し。

まずはショートプログラムから。




ゥ──σ(・´ω・`;)──ン

調子が悪かったのでしょうか?
エリボン杯よりもずっと生彩を欠いている感じ。
全体的に覇気のない演技でした。

得点はアレなので、ここではいちいち書きませんが、
(いろいろいっても無駄なので)
ですが、調子があまりよくないことは確かです。

ジャンプの回転不足は相変わらずですが、
キム選手に関しては多少の回転不足でも
とにかく着氷すれば加点を与えるという
彼女だけ特別な採点システムがあるようなので、
なんともいえませんが、

ただ彼女のジャンプが去年よりも激しく劣化してきていることは明らかで、
特にセカンド3Tの着氷が目に余るほどひどい。
着氷時にしぶきが上がるのは明らかに回転不足の証拠。
あれを浅田選手や安藤選手がやったら確実に<が刺さりますよ。

でも、キム選手に対しては見て見ぬ振りを決め込んでいるんですから
しょうがないですよね ( ̄ヘ ̄)ウーン

氏ねよ、ジャッジ  凸(`Д´メ)FUCK YOU!!



まあ、それは脇に置いといて、
わたしが気になったのはショートよりも、FPのほうでした。



キム選手、あきらかにフリップの矯正ができていませんね。

ショートのときはアウトまではいきませんが、
かなりフラットな状態で飛んでました。
それでも認定されているのは、
カナダや韓国のスケ連の豊富な人脈(もとい金脈?)と
強いパイプラインのおかげでしょう。

これはわたしの個人的な推測ですが、
事前にエッジの状態をジャッジに見てもらっているのではないかと思うのです。
どの程度のエッジの傾き具合ならば認定されるのかということを
ジャッジに見てもらって、インまではいかないけれども
この程度のフラットならば認定しようと事前に合意ができているのはないかと。
なので、キム選手も比較的安心してフラットのままで飛ぶことができる。

わたし個人は彼女のエッジは完全にアウトだと思っていなくて
(といっても、足元のスロー再生がないのでなんともいえませんが)
カナーリ怪しいけれどもフラットな状態に戻してきているのではないかと。

しかし、やはり実力に見合わない高得点はどこかで不平・批判が出るものです。
それをキム選手がまったく知らないわけではないと思います。
それに、自分だけがジャッジから特別視されていることは
選手たちもうすうす気づいているでしょうから、
当然自分への風当たりは強くなるし、
また(日本以外の)海外のマスメディアの不評を買うばかりで、
それはそれでプレッシャーとなります。

キム選手だとて馬鹿ではありません。
それなりの努力は必要だと思っているはずです。
実際、彼女のフリーでのフリップはインに近い形で飛んでいました、
というよりも、飛ぼうとしていたといったほうが正しいかな。
ですが、失敗していましました。
ここに彼女の問題点がはっきりと露呈されていると思います。

やはりエッジは矯正されておらず、
正しいエッジで飛ぼうとすれば、ジャンプに狂いが生じ転倒するということです。
そして、フリップの失敗がルッツも狂わせたということです。

もちろん最初のコンビネーションが失敗した精神的ショックも大きいでしょう。
しかし、それだけではないような気がします。
ルッツは明らかにタイミングが合わず、回転不足のまま降りていましたし、
その回転不足のまま降りてきたことが、セカンドの3Tのジャンプを飛べなくさせました。
彼女の回転不足は、調子が悪ければかなり深刻な形で出るということでしょう。

ただ、FPでもかなりジャッジの救済は入ってました。
2A-3Tのセカンド3Tはいまだかつてないほどの
ごまかしのきかないほどのあからさまな回転不足でした。
これに<を取らないのは・・・、ねぇ・・・ε-(‐ω‐;)

2A-2T-2Loの2Aも明らかに回転不足でした。
グリって着氷してから回ってるじゃん。
ちょっと、ジャッジ、もっとしっかりしてよー ( ̄´д` ̄)

とにかく調子が悪かったことは確かで、
それが、朝日新聞がいうところの、単に勝たなければいけないという
精神的プレッシャーだけだったとは思いません。

エリボン杯のときからも気になっていましたが、
(というか、韓国で開かれたアイスショーですでに思っていたことですが)
キム選手は全体的に技術的レベルが
ごまかしようがないほど劣化しているのです。

キム選手はセカンドの3Tをつけるのは
女子にしてはめずらしく得意な選手で
おそらく3-3のコンビネーションジャンプを飛ばせたら、
女子では世界一だと思います。
(もちろんセカンドに3Loをつけられる浅田・安藤両選手を別にして)
しかし、その3-3も2006年のときのほうが
もっと軽やかに、そして、より回転不足がなく飛べていました。
今は、確かに助走のスピードは相変わらず速いですが、
ジャンプがずどーんという感じでどこか重いです。
グリ降りが多くなってきている印象は否めません。

このごまかしがどこまで続くのか。
(そして、ジャッジの救済がどこまで続くか。)


フラット選手の成長もすごく気になります。
今季はひじょうに調子がいいのではないでしょうか。
個人的には、あまり印象のない選手でしたが、
昨日の試合はSP/FPともにすばらしい出来でした。
SPの3-3の失敗がなければ優勝していたかもしれません。
(絶対にありえないだろうけど (;^ω^A )

個人的にはサーシャ・コーエン選手が出場が気になっていました。
もし彼女が出場して、それなりの演技をしていたら
もっとキム選手に違った点数が出ていたかもしれないからです。

ただキム選手本人以上にジャッジは斜め上ですから・・・
GPFしだいですよね。
ジャッジはどこまでキム選手に点数を出すか。

サムスンの訴訟問題も微妙に影響していると思いますし・・・

あと、浅田選手の調子も大きく左右すると思いますよ。
彼女が調子を取り戻してくれば、また違った展開になるかと思います。


(次はロシア杯のプルシェンコ考察です)