2007/08/23

《フジロック初参戦記'07 その5》

cureファンのみなさん、お待たせしました(誰も待ってないって)。
ここからがcureのレヴューです(でも、まだその1です)。

ステージの照明が少し暗くなる。赤の混じった深い紫色の照明に切り替わる。
なんだかいかにも彼ららしい、ダークで、ミステリアスな雰囲気。
スモークがステージの際から漂いはじめ、ステージを覆い始める。
もしかして・・・。
時計を見ると午後9時49分。
30分遅れの開演だ。
スモークの中からJASONが現れる。
うそ、JASONだ。彼はドラムセットの前に座ると、次に現れたのはSIMON。
おおー! SIMONだあああぁぁぁ! ホンモノだぁぁぁーーー!!!と心の中で絶叫していると、ステージに漂う煙幕の中から真っ黒な鳥の巣のような頭が・・・・

もしかして、もしかしてぇぇぇ????
  

キャーーーーーーーっっっ!!!!

いきなり後ろからものすごい声援が上がる。それと同時にMUSEの時と負けないぐらいのモッシュの波が!!!!

ロバートぉぉぉぉーーーーーっっっっ!!!!

 もう大熱狂! 自分も我を忘れて叫びまくりましたよ!!!
「ぎゃーーーっっっ!!!! ロバートぉぉぉぉーーー!!!!」
 ロバートはファンの声援にはこたえず、後ろを向いてギターを肩にかけると、いつの間にかステージに現れていたスキンヘッドのPOALがジャーンとギターを鳴らす。
 一瞬なんの曲だろ? と思ったら、後ろにいたファンがいきなり飛び跳ねるように踊りだす。
 わたしはいきなり背中を押され、前にいたファンに勢いよくぶつかる。前のファンと後ろのファンにはさまれ、まさにサンドイッチ状態。周りのファンはいきなりの狂乱状態。
「open」だ! やっぱり順当なオープニング。ここ最近のフェスでは最初の曲はこの「open」か「plainsong」で決まっていたから、やっぱりなと思いつつも生ロバートを見れた興奮と感動で、絶叫。
やや長いギターイントロのあと、ロバートのボーカルが入る。
・・・I really don’t know I’m doing here・・・・
マジで? マジ? 本当にロバートが歌っているの??

ゴシゴシ(-дゞ≡ ゚Д゚)スッスゲ―――――!!!!!!!

もちろんわたしもファンと、ロバートと一緒に歌う。
さきほどのからだの疲れはどこへやら、あんなに咽喉が渇いていたのに、その咽喉の渇きもどこかに吹き飛んでしまうぐらいの興奮状態で、もう歌う、歌う。
ロバートを始めメンバーもいきなりのイケイケ状態。
プレイは、やはりベテランのバンドらしく安定していて、ブレがない。しかも、POALの再加入のおかげで、ずっと曲が引き締まっている。ロバートの声もよく伸びている。
本当にかっこいいことのひとこと。
一曲めが終わり、MCすらなく間髪入れずに次の曲へ。
「fascination street」!!!!
 オーディエンスは大喜び。最前列の背の高い外人さんも喜びまくり。タテのりで踊っている。ふと左のほうに目をやると大きな水色の旗がはためいている。
 スゴイ!! きっとファンの人が持ってきたんだろう。
やっぱりCUREのファンは違うよね。本当に彼らのことを愛している人たちがいるんだ!
もうギターがぶんぶんうなってかっこいい。キーボード不在なんてぜんぜん感じさせないほど、タイトで、クールな演奏。もうのっけから、ヘヴィーポップチューンを展開するんだもの。これからどうなるんだろうと思いつつ二曲目終了。
次は・・・うそ!? いきなりしょっぱなからこの曲やるの~~~~?????
っていう「from the edge of deep green sea」。
ふつう欧米のフェスじゃ後半にやる、ハイライトの曲。
もう、ロバったら。いきなりこの曲やってどうすんの??? 
と思いつつも大興奮。もちろん周りのファンもこの曲に大喜びの大合唱。だが、例のput your hands in the sky~のくだりでは誰も手を上げず・・・(汗)。
うそ、CUREファンならお約束のはずでしょ!?
と、めげずに一人だけ手を上げましたよ。
ここでロバートが「thank you」といってギターを下ろす。その時初めて、本日のロバートのいでたちを見ることができた。
????
今日のロバ、スカートはいてない? スカートだよね?
スモークから現れてきたロバは明らかにスカート姿。

  (;゜ロ゜)エェ??

ジョナサン・デイヴィスか???(タカトシのトシ風で(笑))
と思わず笑ってしまった。
去年のKORNとの共演で、ジョナサンのステージ衣装に感化されたのか、それともその太った体型を隠すために着たのか知らないけれども、わたしは即座にジョナサン・デイヴィスを連想してしまった。
ロバ、なんだかジョナサンに似てるなあ。
そう思っていると、ロバートはスタンドからマイクをはずし、ステージの端へと歩き出した。
ええええ???
こっちに近づいてくる。そうなんです。自分のいるほうのステージの際へと歩いてきたんですよ!!!

ギャ━━━━━━Σヾ(゚Д゚)ノ━━━━━━ !!!!

心の中で大絶叫!!
そして、POALのギターがじゃらーんと!!!
やっぱり!!!
ファンの歓声が一際高くなる。
おそらく日本のファンのために特別に歌うことにしたのだろう「kyoto song」。
みんなはこの意外な選曲に驚いていたけれども、わたしは日本に来るからには絶対歌うだろうなと予測していたのでそれほど驚かなかった。
それよりも、もっと驚いたのは至近距離でロバートを見たこと。柵とカメラをはさんで約4メートルほどの距離しかない、超至近距離。手を伸ばせば彼に届くんじゃないかと思うほど。
ロバートはじっと佇んでオーディエンスを一人一人確かめるように眺めている。

w(゚ロ゚;w(゚ロ゚)w;゚ロ゚)w オォォーーー!!

実際間近で見たロバートは、それほど背の高い人ではなかった。最前列にいた外人さんのほうがぜんぜん高い。身長はたぶん170センチ強。180はないんじゃないかな。自分の兄と同じぐらいの背丈。もっと大きい人かと思っていたけれども。もしかしてあまりにも大きいその存在感に、彼の背丈すらも非常に高く見せていたのかもしれない。ごくごく普通の標準身長に、オーラとか存在感というよりも親近感を感じる。
それに写真で見たよりもずっと太っていない。確かに以前よりも膨張しているものの、自分が想像していたよりも太ってはいなかった。
なんだかへんな安心感が沸いてくる。
よかった~~~~。思ったよりも太ってなくて。だって最近のロバの写真、マジ、ヤバイぐらいに太っていたもんなあ。逆にもとからこの体型だったのではないかと思わせるほどに、いまの体型が合っているような感じ。
まろみというか、柔らかさというか。ロバートって想像していたよりもずっと穏やかな人なんだと、ロバートの姿を眼に焼き付けようと必死に視線でロバートを追いかける。
ロバートは時々屈むようにして歌いながら、奇妙なダンスらしき動きをしている。でも、ロバート、歌に集中している一方で、しっかり観客を見ているんだよなあ。すごく冷静な人なんだとびっくり。
てか、それ以上にびっくりなのは、このヒト、確か今48歳なんだよね?
ぜんぜん48歳に見えない!!!っていうぐらいに年齢未詳。
確かにヴィジュアル的に全盛期だった「disintegration」のころよりはずっと老けてはいますよ。でも、ジジイとかおっさんとかそういう風には見えないんだよなあ。なんつうか、年齢未詳の不思議な人種って感じ。ひどくピュアというか、少年のような若々しい佇まいを残している。だから、あの奇妙な動きがひどく可愛いというか、とにかく不思議な魅力があるんだよなあ。
と興奮しつつも、ロバを冷静に観察し、「kyoto song」は終了。
ロバートは再びギターを持ち、マイクをスタンドに戻したあとなにやら話し始める。
その時悲鳴にも似た喚声が!!!
???? 
わたしは一瞬耳を疑った。
うそ? いまロバート、なんていった?
確か・・・「アリガト」って聞こえたような????

(゚Д゚)

うそぉぉぉぉ――――――・・・・・・!!!!!!

わたしは死ぬほどびっくりしましたよ。
あれほど日本嫌いで通っているロバが日本語しゃべるなんて!? いったいどうしちゃったの?
絶対そんなファンサービスをするヒトじゃないと思っていたのに。今日のロバは恐ろしいほど気前がよくて、機嫌がいい。
もちろんファンもびっくりの大喜びで、「ロバートぉぉぉぉーー!!!」と叫びまくっている。
わたしはロバの信じられない言動にただただ驚くばっかり。そして、次の選曲にも驚くばっかり。
hot hot hot!!!!
うゎぉう!というロバートの、得意の猫泣き声とともに始まったこの曲に、もう周りはノリノリの状態。この曲をやるかあとか思いながらも必死に「hey hey hey!!!」と一緒に飛び跳ね、歌う。
この曲を聴いて、今日は「greatest hits」で行くんだということをはっきりと悟って、心の中で分かっていながらも、ちょっぴり残念。やっぱりコアなファンはダーク・セットで見たいものだから。
次の曲は、最新アルバムからの「alt end.」。
正直この曲、初めはあまり好きじゃなかったんだけれども、「festival 2005」のライブバージョンを聞いてから、この曲を見直すようになり、それほど悪い曲ではないなと思うようになった。
やっぱCUREってライブバンドなんだな。彼らの本当の曲のよさはライブじゃないとわからないんだ。もしかしたらロバートもそういうことを計算して、曲を作ってるのかもしれない。だとしたら、本当に天才だよなあ。
この曲が終わったあと、少し長めのMCがはいる。残念だがうまく聞き取れない。「・・・23years・・・」とかいっていたから、23年間も日本に来ないでごめんみたいなことを言ったと思う。
その言葉に、後ろの外人さんがなぜか日本語で
「ホントだよ・・・。ホントにもう・・・ずっと待ってたよ・・・」と感極まる。
周囲からどっと笑いが起こる。
ロバートの声援に混じって、サイモーンと叫ぶ声もあり。
SIMONは声援にこたえることなく、黙々と次の曲の準備に取り掛かっている。
うーん、SIMON。なんか職人って感じでいいなあ。
今日のいでたちも、黒のランニングに、スキニージーンズと、まるでとび職人のようないでたち。
腰をややかがめて、ぶんぶんと豪快にベースを鳴らす姿がこれまたかっこいいんだよ~~~~。
ひそかにSIMONファンは多いと見た。
ここら辺は興奮していてよく覚えてないんだけれども、たぶんここでも「ドモアリガト」を言ったような気がする。
どうしちゃったんだろう? いつもよりも饒舌じゃないか? 欧米のフェスではMCもほとんどなくて、淡々とプレイしてゆくのに。
と思いつつも、いきなりの「the walk」。
この選曲もわたし的にはありだと思っていた。なんたってI saw you look like a japanese babyだもんねえ。これも日本のファンへのロバートなりのサービスなんだろう。
それより、少し気になったんだけれども、なんだかロバ、この曲を歌ってる最中、ずっと下を見てるんだよな。もしかして歌詞をモニターで見ているとか??
CUREに限ってそんなことは絶対ないが、他のバンドはけっこう歌詞をモニターで見ながら歌っていたりすることが多い。NEW ORDERなんて完璧そうだったしねえ。バーニーは明らかにモニター見て歌ってましたよ(DVDでライブ見たんですが)。
もしかして、ロバ、この曲の歌詞を忘れてしまったのかな? この曲、歌うの久しぶりなの???
とか思いながらも、しきりに下を見て歌うロバが気になってしまった。