2008/04/01

GOTHとは何か:番外編―勝手にゴス・メタル①


以前数回にわたってgothを特集していたんですが、
そういえば、同じゴスでもゴス・メタル(またはデス・メタル)は
紹介してなかったなーと思い、
番外編としてちょろっとだけ紹介したいと思います。

といっても、メタルの分野にはまったく精通しておりません。
節操なしといわれるほど他ジャンルを聞いておりますが、
唯一入っていけないのが、メタル系で…(『buurn!』に載ってるバンドね)。

ここで紹介するのもかなり的をしぼって、
限定して紹介したいと思います。

と同時に私が開拓しようとして
挫折した「どうして私はメタルが好きになれないのか」
という感想にもなっております。

過去に幾度も挑戦して、
何度も失敗しているにもかかわらず、
どうしてふたたびチャレンジしてみようと思ったのは、

最近、evanescence熱がふたたび浮上しまして、
アルバムを聞いてたら、
ひょっとしたら他の同傾向のメタルもいけるんじゃないかと
思うようになりまして、
かねがね気になっておりました
欧州のゴス・メタル系のバンドをいくつか聞いてみようかと。

で、いちばん最初に紹介するのは、within temptation
オランダを初めとする欧州大陸で絶大な人気をほこるゴス・メタルのバンドです。
evanescenceが世界中でブレイクしてからというものの、
男女混成メンバー(特に女性または男性との混声ボーカルとなっているもの)
バンドに注目が集るようになり、
日本やアメリカにも盛んに紹介されるようになりました。
彼女達はevanescenceよりも活動が古く、
実はデビューして10年ものキャリアをほこるベテラン。
母国オランダで出したアルバムが記録的なヒットを生むなど、
たぶんオランダでは国民的なバンドなのでしょう。

どういう音楽傾向にあるかというと、 平たくいえばシンフォニック・メタル
欧州系のメタルの王道ですね。
クラッシック音楽とメタルを融合させた壮大な音楽が売りです。
そして、紅一点のシャロン・デン・アーデル姐の艶やかな容姿とハイトーンボイス。
エンヤ・ミーツ・メタルといったところでしょうか。
歌はエイミー嬢よりもずっとうまいです。
彼女は広い音域を駆使することができて、かなり高いオクターブも出せる。
キャリアも長いから、ライブにも安定感あり
アルバムとほぼ同じ声を出すことが出来ます。

しかし、いかんせん、どうも好きになれない(汗)
メタルってデス・メタルにしろ、シンフォニック・メタルにしろ
ジャンルに限らず、メタルそのものが好きじゃない。
きっとwithin temptationでもだめ。
私の限界はたぶん、evanescenceどまり。

好きになれない最大の要因は、
曲の構成がはっきりしすぎているから。

私が洋楽を好む最大の理由は、
ひじょうに「即興的」な部分があるから。

洋楽ってverseとchorusがはっきりしない曲って多いじゃないですか。
つまりAメロ、Bメロ、サビとかがはっきりしてないんですよ。
そういうところが、邦楽の歌謡曲にないものを感じて、
すごく好きなんですが。

だけどさ、メタルってぶっちゃけ「歌謡曲」なのよ。
こういうメロディではじまって、こういうサビがきてって
曲の展開が容易に読めてしまう。
しかも、小・中学校とピアノを習っていて
なまじっかクラシックの素養があるから、
よけい曲の展開がわかっちゃうんですよ
そうするとね、聞く面白みがなくなってしまうんですよ。
全部聞かないうちに展開が読めてきて、
しかも、それがピタリと当てはまるから、
驚きもなくてつまんないって思っちゃう。

このバンドもね、おおむねそう。
展開がね、分かり安すぎるんですよ。
しかも、ケルティック・ミュージックっていうんですか。
ああいう古民謡的なメロディとメタルを融合させてるの、
あれね、すっごく古くさく聞こえるの
なんかひと昔前のメタルって感じ。
欧州ではそれなりにウケるんだろうけれども、
少なくともウチはだめだなぁ。

さらにだめなのは、ヒップホップの要素が入っていないことなんだろうな。
まあ、メタルはだめだっていったけれども、
90年代中期にかけてアメリカで流行った
nu-metal-つまり、ヘヴィ・ロックならぜんぜん聞けるんですよ。
どうしてかというと、ヒップ・ホップの即興性
―ライムの挿入が様式美に陥りがちなメタルの音楽を切り崩してくれるから


あんまりヒップ・ホップ聞かないくせに。
でも、ヘヴィ・ロックはかっこいいって思っちゃう。
欧州系のメタルは総じてヒップ・ホップの影響を受けていないがゆえに
(もちろん文化的にヒップ・ホップはないからなんですが)、
聞いててすごくキツいんだな。

聞いてて耐えられたのは、↓の曲だけでした。

within temptation-Memories