2008/01/14

これでいいのか?


ロキノン最新号を読んでみて。
そういえば最近あまりロキノンにツッコミを入れてないなぁと思っていたんですが、
バイトで忙しく(11日連続勤務だったんだよお)、ロキノンどころか本自体読む暇さえなくて、
ツッコミを入れるどころではなかったんですが…。
ようやく昨日から長いお休みをいただきましたので、早速読んでみることにしました。
して、その感想は・・・。

まあ、いつもの通り、『ベストアルバム2007』というのをやっていたんですが…。
どうしてこんな結果になるのかが不思議。
そして、読む前から結果が分かってしまっているのもどうかと…。
ロキノンのことだからレディへマンセー記事を書くんだろうなと思っていたんですが、
こうも露骨に書かれると、正直笑えるものも笑えない。

あのさ、もうそろそろ「レディへのすることなら何でも手放しで褒めなければならない」という態度、止めませんか?
確かに『in rainbouws』は素晴らしかった。とてもいいアルバムだったけれども、
かといって正直ベストアルバムTOP10に入るほどの傑作じゃなかった。
別にレディへが駄作を作ったわけじゃないですよ。
でも、レディへほどの実力とキャリアのあるバンドだったら、
80点以上のアヴェレージの高いアルバムを作るのって当たり前じゃん?
そんなもとから80点のアルバムを『稀代の傑作だ!』と過大評価するのはどうかと思う。
だってどうしたって、今回のアルバムって
レディへが他のバンドに先駆けてDL販売に踏み切ったという部分が
多大に加点されているようにしか思えないもん。
純粋にアルバムだけ見たら、音楽的にはそれほど前進があったわけじゃなく
どちらかというといままでの集大成的なアルバム。
むしろこれからどうなるのかという含みを持たせたアルバムで、
ロキノンの好む『前衛的』な部分はどこにもない。
それなのに、ロキノンの評論家達はレディへがDL販売をおこなったというだけで、
やっぱり彼らこそが『音楽を、世界を変えるバンドだ』と評価する。
あのね、いっとくけど、DL販売はレディへだけじゃなくて、
他のバンドもずっと前から検討していたことなの。
NINのトレントはずっと前から、それこそ2000年ぐらいからネットで販売したいと公言していたし、
もともとレコード会社とのトラブルの耐えないヒトだから、
ファンの間では次は必ずネット販売するだろうなといわれていたんですよ。
でも、たまたまレコード会社との契約がレディへとは一年遅く切れたというだけで、
トレントは勝手に二番手に甘んじてしまったんですよ。
そういうこともまったく考慮に入れないで、なんか勝手にレディへが一番最初って言われても…。
逆にNINがレディへよりも先にDL販売を行っていたらどんな反応をしただろうか?
きっと影響力の薄れつつあるNINにロキノンはそれほどの関心は示さなかったと思う。残念だけれども。

ロキノンって大体決まってるんだよお。
TOP10に入れるバンドが。U2でしょ、リンキンでしょ、レッチリでしょ、グリーン・デイでしょ。
こういう大御所のバンドがアルバムを作れば「なぜ彼らはここまで前進を続けるのか」的ふれこみを入れて
TOP10にする。そういう安直な決め方もどうかと思う。
U2、レッチリ、REM、リンキンに対してはとりあえず出せばtop10に入れろという態度が露骨過ぎる。

リンキンにしたって、本当に今回のアルバムは大変な苦労をして作ったことがうかがえるものだけれども、
だからといってやっぱりTOP10に入るアルバムだったかというとそうではなかったと思う。
ヘヴィ・ロックが衰退してしまった今、彼らが生き残るためにどのような方向性をとるべきかを問われているけれども、今回のアルバムは残念ながらそれを提示できたとは思えない。頑張ってはいるけれどもね。
自分、16歳のときからリンキンの熱狂的なファンだけれども、
それでも手放しでよかったとはいえないよ。

わたし個人としては、いつも60点平均しか作れなかったバンドが努力して80点の作品を仕上げたときに、そのバンドにとってのベストアルバムになると思ってる。
そういう点では、Fall out boyのアルバムはemoを乗り越えたといえるアルバムだったと思うし、
もっと評価されても良かったと思う。

どうしてもっと若いバンドで、でも確実に成長しているバンドを1位とかにしないのかな?
アーケイド・ファイアを1位にしろっていってるわけじゃないですよ。
確かに彼らはすごいけれども。でもさ、やっぱり彼らにしても、
なんていうのかな「反米」を露骨に表現したから、高く評価されたという部分もあるわけよ。
でも、アメリカ(正式にはカナダだけれども、アメリカ人メンバーも在籍)のバンドが自己批判としての
「反米」を掲げたという上で評価されたのは分かりますけれども。

それよりももっと気になったのは、粉川しのと古川某の対談。
なにあれ?
もっとアメリカのバンドって評価されてもいいと思うけれどもって、
あんたたちロキノンがフツーに取り上げないだけの話だろ?
イギリスのわけの分からん新人バンドばかり持ち上げて、
アメリカの前衛的なバンドなんて思いっきり無視するくせに。
去年の12月号で初めて「USインディ・ロックバンド」を特集したくせに。
なんで他人のせいにするんだ、お前ら? 
さもわたし達リスナーのほうが関心を持たないような書き方をして。
あのね、10代の若い子はみんなお前らの記事を見て、洋楽聞くんだよ!
お前らがUKバンドばかり特集するから、UKのバンドしか聞かなくなるんじゃん!
自分たちのことを棚に上げて人のせいにするな、ロキノン!

あー、ホント、ロキノンって読むと腹立つことばっかりなのよ。
もう読むのやめようって思うんだけれども、なんか読んじゃうのよね。
そして、馬鹿みたいに怒り狂うと(笑)。
十分不毛なことをしてるって分かるんですけれども。なんか止められないんですよね。
自分も十分バカです。