2009/11/17

劇的復活!-氷帝の帰還- プルシェンコ ロステレコム杯 SP考察 



みなさま、大変お待たせいたしました。

プルシェンコのロステレコム杯を取り上げていきたいと思います。

前にも取り上げましたけれども、改めて動画をうpします。
まずはSPから

(追記:日本語バージョンを見つけました)



これほどまでに鮮烈で、かつ、劇的な復活劇はないでしょうね。
正直、ファンであるわたしですらプルの復帰を本気で信じてませんでしたもん。
あの数ヶ月前のメタボッ腹を見たらねぇ~。
それに、明らかに金目当て過ぎる恋人(=現奥さん)とか、
あのコラボした怪しい歌手とか・・・
もうスケートとかけ離れたところでしか話題にならないという。
スポーツ選手であることすら忘れたのかと、
すごく悲観的になっていましたが、
拙ブログでもこんなことでいいのかとさんざん書き立てましたし、

ですが、まるでそんなことなど嘘だったかのような復活劇。

現役バリバリ時代を髣髴させるような
きれい過ぎる回転の4T-3Tに3A。
なぜかルッツは2回転でしたがw
約4年ぶりの試合復帰を考えれば
プレッシャーが多少なりともあってもしかたがないと思うので、
最初の2つの難度の高いジャンプをこなして気が抜けたのでしょうね。
ま、ご愛嬌ということで。
そういうところも天才らしいというか・・・・
なぜ、ここで!? ∑(*゚ェ゚*) というところでねぇ。
さすがはプルシェンコwww

ただプログラム全体の出来としてはまだまだという感じはします。
今回は、あくまでも試合でジャンプが
きちんとできるかどうかという点に焦点を絞ったという感じ。
スピンも以前のものに比べたらかなり良くなってはいるものの、
レベルが取れていないところもあるので、まだまだ改善しなければならないでしょうし、
ステップもちょっと雑でした。
そして、何よりもプログラム全体がまだ未完成というか、
つなぎがほとんどなく、ただ流しているようなプログラム。
TRが6点台だったことを考えると、
もっとプログラムを手直ししなければなりません。

もちろんプルシェンコ陣営はきちんとそのことを考えていると思います。
事実、トリノ五輪のときは試合のたびに振り付けを変えて、
点数が取れるように試行錯誤していましたから、
これからの試合を見ながら、プログラムを改善してくるでしょう。

また、約4年のブランクがありながらも、
82点台を取れるのは立派。
ルッツの失敗がなければ88点は取れていたと思うし、
またPCSも上がっていたと思うのです。
そういうことを考えれば、この点数は妥当。
格段低いとは思いません。

それに、ロシアはプルシェンコの地元です。
やはり地元のスターに対しては、ある程度の「上げ」が存在するのも事実。
プルシェンコの点数自体はそれほど高くはありませんでしたが、
逆に、ほかの選手の点数を抑えることで
プルシェンコの点数を相対的に高くしたという印象は否めません。
プログラム全体の出来としては
2位の小塚選手のほうがまとまっていました。

それでも約4年のブランクを考えれば、
ここまでジャンプを完成させてくるのは立派かと。
宇宙人の本領発揮というところですね。
浅田選手にもこういう「強さ」がなければなりません。
他を圧倒するような、有無を言わせぬ強さを持たなければ。

これでプルシェンコに対してジャッジは何もいえなくなりました。
少なくともジャンプに関しては。
これほど完璧なジャンプを飛ばれてしまっては、DGのしようもありません。
プルシェンコの強みはなんといっても、回転不足とは無縁なジャンプの確かさにあります。
彼の場合、むしろ回転不足のまま降りてしまえば転倒してしまう。
それぐらい「完璧な」ジャンプなのです。
疑惑の採点・加点など起こりようもありません。
事実4T-3Tの加点は1.2点と
近年の4回転ジャンパーでもなかなか出せないような加点をたたき出しています。
採点競技は試合の積み重ねによる実績がものを言いますから、
プルシェンコの今回の試合でたたき出した点数は
バンクーバーに向けて確かな布石となることは間違いないでしょう。

そして、また他の選手にも計り知れないプレッシャーを与えたと思います。
特に4回転を飛ばない選手に対してはかつてないほどの重圧なのでは?
3-3のコンビネーションをどんなに完璧に飛ぼうとも、
4-3の基礎点が違う上に、1点以上の加点が付くことを考えると、
それだけで3点近くの差が出てしまいます。
技術点でプルシェンコに差をつけるのは難しくなってしまいます。

それにプルシェンコが他の選手よりも有利なのは、
ジャンプに問題がない分、
ほかの要素やプログラムの手直しをすれば
まだまだ点数が上がる余地があるということです。

3-3しか飛べない選手がいまから4回転を跳ぶのは無理です。
しかし、もともと4回転もちの選手が、ジャンプを取り戻しさえすれば
あとはほかの細かい要素を改善させていくだけなので、
ほかの選手に比べたら圧倒的にラクだし、
心理的負担も軽いかと思います。

ただプルシェンコは深刻な怪我を抱えていますし、
事実、満身創痍なわけですから、
バンクーバーまではできるだけ無理をせずに、
怪我のないまま試合に臨んでいって欲しいです。

たぶんプルシェンコにとっての最大の敵は「怪我」でしょうね。

もしかしたら五輪二連覇もありうるかもと思っております
(ファンの贔屓目かなwww)