2008/03/21

Floria Sigismondi



私が洋楽を聞き始めたころ、だいたい中学3年生ぐらいだったんで
もう10年近く経つんですが、
その頃はすでにロックが衰退し始めていて、
洋楽といえば、ティーン・アイドル系がほとんどでした。
特に私が高校生の頃は、
ブリトニー・スピアーズやクリスティーナ・アギレラ、インシンクなんかが
ブレイクし始めた頃だっただけに、その勢いはハンパじゃなく、本当にすごいものでした。
正直、あまりロックを聴いている子はいなかったんじゃないかな。
ロック聞いている奴はそうとうな少数派で、
洋楽っていえば、だいたいはこういうアイドルものばかりだった。
洋楽派の女の子のあいだでは、
ブリトニーかアギレラかできっぱりと人気が二分されていて、
どちらがいいかでよく言い合いをしたり…。
私は断然ブリ派で、アギレラはほとんどきかなかったんだけれども、
↑の曲だけは特別というか、私が唯一好きなアギレラの曲だった。

どうしてかというと、PVがすごく好きだったから。
このPVはアギレラのPVのなかでも異色というか、はっきりいってGOTHなんですよ。
フツーのアイドルなら絶対こんなもんつくらんだろーなっていう趣味で。
でも、逆に私には非常に好感が持てたというか。

それもそのはず、このPVを作ったのは、
現代ゴシック・アートの女王、Floria Sigismondiの手によるものだから。
「え? そのヒト誰?」と思われた方は、
マリマンのbeautiful peopleを作ったヒトといえば分かるはず。
あの悪趣味極まりないPVを作った方でございます。

私は彼女のPVが大好きで、最近ではwhite stripsのblue orchidがあるんですけど、
彼女の、サディスティックで、グロテスクなゴシック趣味がたまらなく好きというか。
マリマンのPVもそうなんですが、人をガラスケースに閉じ込めたり、
矯正器具(または拷問器具)をつけさせたり、
ものすごいヒールの高い靴を履かせたりとすごく拷問的。
でも、それがなんともいえぬ不安定な魅力をもたらし、すごく好きなんです。

で、このPVもこれでもかというぐらいフローリア女史の趣味が反映されている。
正直、アイドルのPVにここまで好き勝手なことをしてもいいのかと思うぐらい。
いくつかマドンナのfrozenに影響されているところもあるんだけれども、
総じて彼女のオリジナリティが満載されています。
女性がやたらヒールの高い靴を履かされて、無理やり歩くところとか、
アギレラが例のごとくガラスケースの閉じ込められちゃったり、
蝶にまみれちゃったり…。そういえば、マリマンのPVも蝶にまみれたやつがあったな。
私的には、アギレラがカタツムリみたいに這い歩く(?)シーンがツボ。
杖を持って歩いているんだけれども、背中に刺さっている何本もの杖(?)が
カタツムリの殻っぽく見えるんです。
そこがなぜか「萌え~」。何度も見ちゃう。

でも、このPVってなぜかITSでは売ってないんだよね。
日本だけじゃなくて、アメリカも。
なんでだろう? マリマンは売ってるのにな。
早く入れてほしいと思ってるんですが、追加される予定はない模様。
なんで? アギレラのイメージが崩れるからかな?
そんなこともないと思うんだよね。
現にこのPV、あゆも思いっきりコピーしてますから。

ちなみに、彼女、cureのthe end of the worldも作っております。
cureのPVを作るってきいたとき、
両方とも好きなアーティストだったのでめちゃ興奮しました。
だけど、このPVでは彼女の趣味は抑えて、
きちんとcureのテイストにあわせて作ってます。
キッチュな世界観が素敵。