2008/02/20

PICK UP:the cure その⑤-2:cureの曲からエモい曲を選んでみる。

cureはemoに多大な影響を与えたアーティストと以前にも紹介しましたが、
実際に彼らの曲を聴いて、emoに与えた影響を確認しましょうということで、
『勝手に選ぶ、cureのなかのエモい曲』と題しまして、いくつか曲を取り上げてみたいと思います。

boy's don't cry
→正直、この曲をemo曲として取り上げるのはどうかとも思いましたが、歌詞が非常にエモいと思ったので。get up kids辺りがお手本としてそう。女の子にふられながらも、それでも男の子は泣かないと歌うロバスミの歌声が切ない。

figurehead
→わたし個人は、この曲はemoだとは思ってません。でも、イギリスの雑誌がこの曲はemoに多大な影響を与えたと取り上げていたので。「I'll be never clean again」と自己嫌悪を露にするところがemo? 
ヘヴィ・ロックに与えた影響のほうがでかいと思う。

throw your feet/new day
→emoというよりscreamo系に近いかな? あのロバスミの神経質な、甲高い叫び声は確実にemoやscreamoに影響を与えていると思うんですが。そんな彼のスクリームが堪能できる曲。

the exploding boy
→この曲はalkaline trioがほぼ原曲に近い形でカバーしていることから見ても、かなりemo寄りの曲なんだと思う。
inbetween daysにも似たアコースティックギターのせわしないカッティングに、ロバスミの甲高い声が絡む。こうしてみて見ると、アルバムの中というよりも、アウトテイクとなったシングルB面のほうにエモい曲が多い気が…。

just like heaven
→『ローリング・ストーン』誌も取り上げた、数多くのバンドがカバーする、emoの原点とされている曲。
個人的にはそうは思わないんですけれども、you tubeのコメントなんかを見てると、『この曲はemoだ』と書いてるコメントが多いんですよね~。やっぱりこの曲が一番emoらしいんでしょうか?
同じエモでもビューティフル・エモ辺りがお手本にしてるんでしょうね。でも、dashboard conffesionalとかに通じるものがあるのかな? taking back sundayがカバーしたときは正直驚いたけれども。

追記:さっきyou tubeでストックホルムでのライブ動画がUpされてました。
 最近の4人編成でのバージョンだったら、なるほどエモっぽい要素がある?

hey you!
→わたしはこっちのほうがずっとエモいと思う。すっごくハッピーなのに、どこか躁病的な狂気を感じる。
『hey you!!』とうれしそうに叫ぶロバスミがコワい。この曲を聴くといつもtaking back sundayを思い出すのはわたしだけでしょうか?

a plain song/love song
→『disintegration』収録曲より。この時期のcureがアメリカのバンドに与えた影響は絶大で、当然emoにも強い影響を及ぼしている。以前から言っていることですが、JEWの『23』はマジで『disintegration』の影響をすごく感じる。これは音楽評論家も同じことをいっていたので、その通りでしょう。それと、マイナーなバンドなんですが、nightmare of youというバンドがあるんですが、そのバンドの作る曲は絶対ここから影響を受けている! ビューティフル・エモ好きな人は必聴です。

it used to be me
→この曲はすごい! B面集の隠れた名曲と同時にすごくscreamoっぽくてイイ! 

a pink dream
→真打登場。この曲を初めて聴いたとき、速攻でemoだと思った曲。jimmy eat worldやthe get up kidsなどの初期エモに非常に近いと思う。JEWの『clality』または『bleed american』収録の『sweetness』という曲と一緒に聞いてみてください。ほとんど違和感ないですから。
この時期のcureってすごくエモに近いというか、wild mood swingsって非常にエモっぽいと思うんですけれども。でも、海外のファンの間ではやたら評価が低いんですよね。
確かに彼ら独自のダークさや叙情性が薄れているのは分かるんですけれども、
狂気が薄れた分ポップさが増して、佳作に仕上がっていると思うんですけれどもねえ。

the end of the world
→この曲はねえ、最初まったくemoだと思って聞いていなかったんですよ。でも、『festival 2005』を見て驚いた。キーボードなしの四人編成の演奏を聴いて、あのセルフタイトルのアルバムでしたかったことは、こういうことだったんだと。だってもろemoなんだもん。びっくり。
のちに詳しく書きますが、ロス・ロビンソンってKORNなどのヘヴィ・ロックバンドを数多く手がけていたこともあり、ヘヴィ・ロックの創始者みたいに思われていますが、実は彼はemoの創始者の一人でもあるんです。aimen、at the drive inなどのemo(というかscreamo)系のバンドのプロデュースも数多く手がけている。だから、この曲にもemoの影響が現れるのは当然。この曲でemoとcureが初めて歩み寄ったといえるのではないでしょうか。すごく興味深い曲です。


どうでしょうか? もちろんこれはわたしの独断と偏見で選んだもので、
納得のいかない人やcureはemoなんかじゃないと思っている人もたくさんいると思います。
わたしもcureを必ずしもemoの元祖と思って聞いているわけではありません。
しかし、cureというバンドには多くの若いバンドが
お手本にしたくなる要素がたくさん詰まっている。
だからこそ、廃れないし、人気も衰えない。常に第一線にい続けることができるんだと思います。
それどころか、新しい世代が新しい解釈をして彼らを評価したりさえする。
こういうバンドはなかなかほかには見当たらないと思います。