2007/09/01

80'sは古い?

某サイトでいろいろと書き込みをさせていただいたときのこと。
私がおもむろに書いた、「new orderは今の雰囲気にぴったり」というコメントに、
new waveがリアルタイマーだった多くの方々から反響をいただいた。
自分のような20も年下の若造が、
80年代の音楽が今の雰囲気にぴったりってどんだけ~~~???
という風に思われたのだろうか?

ただ私としては現在英米で特に話題になっているニューウエイヴ・リバイバルの流れで、the killersやthe braveryなどをよく聞いていたため、
彼らのベタで、直球な80'Sサウンドに耳慣れていたせいか、
new orderやjoy divisionを聞いてもさほど違和感を感じなかったのだが、
どうやら私のその反応が、80年代に青春時代を過ごした方々にとっては、新鮮だったらしい。

そのことに逆に私は驚いてしまった。
前述の通り、今英米ではニューウエイヴ・リバイバルというのが流行っていて、
interporlやkillersなどのバンドが積極的に80年代の音楽的要素を取り入れて、
新たなサウンドを作り出している。
80年代はロックにとって不遇の時期といわれていたが、
必ずしもそうではなく80年代初頭には
かなりの実験精神溢れたロックバンドが数多く存在したものだ。
それらはすべてポスト・パンクという括りでくくられたが、
音楽的には共通するものは何もなく、
とにかくパンクでなければ何でもいいというごった煮精神で、
それぞれのバンドがさまざまな音楽的可能性を試していた。
おそらくそのもっとも代表格が、セックス・ピストルズから生まれたP.I.Lなのだろう。
パンクの創始者であるジョン・ライドン自らが、パンクに終止符を打ったこのバンドは、
ポスト・ロック、つまりはニュー・ウエイヴの扉を開くこととなる。
この時代に生まれた音楽は、実はたくさんある。
フツーに私たちが聞いているインダストリアル・ミュージックも
もともとはこの時代に登場した、イギリスのthrobbing gristleというバンドがはじめたもの。
アフリカのファンクビートやダブの積極的な導入は
後のハウスミュージックへと繋がったといわれているし、
不遇どころか、多種多様な音楽のの豊穣の時代だったんです。
90年代に入って80年代の音楽はいったん衰退したものの、
21世紀にはいって子供の頃80年代の音楽を聴いて育った世代が、
こぞって80年代の音楽を引用し始めています。
joy divisionとの親和性を感じさせるinterporlやeditors。
new order をこよなく愛するkillersに、gang of fourを引用しているかのようなbloc partyなど。
80年代に青春時代を送った世代と、
今のニューウエイヴ・リバイバルの世代とはつながる部分があるんです。

決して80年代に青春時代を過ごした方だけの音楽ではない。
今の若い世代にも十分伝わるものがあるはず。
事実、自分もかなり80'Sは面白いと思って、いろいろと音源を開拓しているところです。
というわけで、前置きが長くなってしまいましたが、
80年代のロックについてもいろいろと語っていこうと思います。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

90年代終わり、ミレニアーム!が近い時期、20世紀の音楽史を振り返るみたいな企画がいろんなところであって、80年代っていうのはMTV以外に何も新しいものが出てこなかった10年間!っていう結論出されて「そんなことないー!!!」と大憤慨した年寄りです。
たしかに80年代ってMTVが出てきて、それまでどっちかというとRevol!な役割だったロックもどんどん商業化が進んでしまったというのは事実なのですが。

でも60,70年代のロックは「怒れる若者vs社会」の象徴みたいな感じだったのが、自分の内面を掘り下げて行く方向も出てきたという意味では80年代ってかなり重要な10年間だったのではないか、と私は思っておりまする。
なんかつまんないから遊んじゃおーっていう方向もあり、家にこもって鬱々と音楽聴くっていうのもあり。
いろーんな可能性が生まれた時代だったのではないかと。
混沌としていた時代ですが、それが却って面白い。
決して80年代は古くなんかないよー!といまだあの当時の自分から抜け出せないおねーさんは思うのでありました。

匿名 さんのコメント...

すごく的確な分析、感動しました。
PILはまさにそのとおりで、80年代当時
今のレディオヘッドみたいな感覚で、
これを聴いていないとばかじゃ、と無理して
聴いていました。
どの時代でも音楽はあったわけで不毛の時代
では全然なかったと思いますよ。
夢中でニュー・オーダーやらキュアーやら
聴いてました。