2009/11/17

劇的復活!-氷帝の帰還- プルシェンコ ロステレコム杯 SP考察 



みなさま、大変お待たせいたしました。

プルシェンコのロステレコム杯を取り上げていきたいと思います。

前にも取り上げましたけれども、改めて動画をうpします。
まずはSPから

(追記:日本語バージョンを見つけました)



これほどまでに鮮烈で、かつ、劇的な復活劇はないでしょうね。
正直、ファンであるわたしですらプルの復帰を本気で信じてませんでしたもん。
あの数ヶ月前のメタボッ腹を見たらねぇ~。
それに、明らかに金目当て過ぎる恋人(=現奥さん)とか、
あのコラボした怪しい歌手とか・・・
もうスケートとかけ離れたところでしか話題にならないという。
スポーツ選手であることすら忘れたのかと、
すごく悲観的になっていましたが、
拙ブログでもこんなことでいいのかとさんざん書き立てましたし、

ですが、まるでそんなことなど嘘だったかのような復活劇。

現役バリバリ時代を髣髴させるような
きれい過ぎる回転の4T-3Tに3A。
なぜかルッツは2回転でしたがw
約4年ぶりの試合復帰を考えれば
プレッシャーが多少なりともあってもしかたがないと思うので、
最初の2つの難度の高いジャンプをこなして気が抜けたのでしょうね。
ま、ご愛嬌ということで。
そういうところも天才らしいというか・・・・
なぜ、ここで!? ∑(*゚ェ゚*) というところでねぇ。
さすがはプルシェンコwww

ただプログラム全体の出来としてはまだまだという感じはします。
今回は、あくまでも試合でジャンプが
きちんとできるかどうかという点に焦点を絞ったという感じ。
スピンも以前のものに比べたらかなり良くなってはいるものの、
レベルが取れていないところもあるので、まだまだ改善しなければならないでしょうし、
ステップもちょっと雑でした。
そして、何よりもプログラム全体がまだ未完成というか、
つなぎがほとんどなく、ただ流しているようなプログラム。
TRが6点台だったことを考えると、
もっとプログラムを手直ししなければなりません。

もちろんプルシェンコ陣営はきちんとそのことを考えていると思います。
事実、トリノ五輪のときは試合のたびに振り付けを変えて、
点数が取れるように試行錯誤していましたから、
これからの試合を見ながら、プログラムを改善してくるでしょう。

また、約4年のブランクがありながらも、
82点台を取れるのは立派。
ルッツの失敗がなければ88点は取れていたと思うし、
またPCSも上がっていたと思うのです。
そういうことを考えれば、この点数は妥当。
格段低いとは思いません。

それに、ロシアはプルシェンコの地元です。
やはり地元のスターに対しては、ある程度の「上げ」が存在するのも事実。
プルシェンコの点数自体はそれほど高くはありませんでしたが、
逆に、ほかの選手の点数を抑えることで
プルシェンコの点数を相対的に高くしたという印象は否めません。
プログラム全体の出来としては
2位の小塚選手のほうがまとまっていました。

それでも約4年のブランクを考えれば、
ここまでジャンプを完成させてくるのは立派かと。
宇宙人の本領発揮というところですね。
浅田選手にもこういう「強さ」がなければなりません。
他を圧倒するような、有無を言わせぬ強さを持たなければ。

これでプルシェンコに対してジャッジは何もいえなくなりました。
少なくともジャンプに関しては。
これほど完璧なジャンプを飛ばれてしまっては、DGのしようもありません。
プルシェンコの強みはなんといっても、回転不足とは無縁なジャンプの確かさにあります。
彼の場合、むしろ回転不足のまま降りてしまえば転倒してしまう。
それぐらい「完璧な」ジャンプなのです。
疑惑の採点・加点など起こりようもありません。
事実4T-3Tの加点は1.2点と
近年の4回転ジャンパーでもなかなか出せないような加点をたたき出しています。
採点競技は試合の積み重ねによる実績がものを言いますから、
プルシェンコの今回の試合でたたき出した点数は
バンクーバーに向けて確かな布石となることは間違いないでしょう。

そして、また他の選手にも計り知れないプレッシャーを与えたと思います。
特に4回転を飛ばない選手に対してはかつてないほどの重圧なのでは?
3-3のコンビネーションをどんなに完璧に飛ぼうとも、
4-3の基礎点が違う上に、1点以上の加点が付くことを考えると、
それだけで3点近くの差が出てしまいます。
技術点でプルシェンコに差をつけるのは難しくなってしまいます。

それにプルシェンコが他の選手よりも有利なのは、
ジャンプに問題がない分、
ほかの要素やプログラムの手直しをすれば
まだまだ点数が上がる余地があるということです。

3-3しか飛べない選手がいまから4回転を跳ぶのは無理です。
しかし、もともと4回転もちの選手が、ジャンプを取り戻しさえすれば
あとはほかの細かい要素を改善させていくだけなので、
ほかの選手に比べたら圧倒的にラクだし、
心理的負担も軽いかと思います。

ただプルシェンコは深刻な怪我を抱えていますし、
事実、満身創痍なわけですから、
バンクーバーまではできるだけ無理をせずに、
怪我のないまま試合に臨んでいって欲しいです。

たぶんプルシェンコにとっての最大の敵は「怪我」でしょうね。

もしかしたら五輪二連覇もありうるかもと思っております
(ファンの贔屓目かなwww)



2009/11/16

2009 スケート・アメリカ キム・ヨナ SP FP 考察



みなさま、本当にお久しぶりです。

m(o´・ω・`o)mペコリン

10月23日以来まったく更新されず・・・

大変申し訳ありません ゴメンナサ──・゚・(。>д<。)・゚・──イ

実は先月末から自動車教習に行っておりまして、
免許取得中でございます。
今月末に卒検があるので、それまでは頻繁に更新するのは難しいかと・・・

もしかしたら来月もかかってしまうかも・・・
ぜんぜん運転がへたくそで、
仮免取得のときも補修いっぱい受けさせられて、
それでもぜんぜんできなくて、
「何回練習しても仮免通らないかも」と教官に言われてしまう始末・・・(´-∀-`;)
まあ、それでも努力のかいあって一発で通りましたが、
路上に出てもへたくそ運転は相変わらずで・・・
方向転換がどうしてもできずに、
我慢の限界に達した教官は横で寝てしまいました・・・・(´Д⊂ ダメポ
ちゃんと卒検までいくのか不安です。

ですが、可能な限りはがんばって更新したいと思います。
今日は少しがんばってプルシェンコのロシア杯での考察や
浅田選手の今後などを書いていきたいと思います。


が、その前にキム・ヨナ選手のスケアメについての考察を少し。

まずはショートプログラムから。




ゥ──σ(・´ω・`;)──ン

調子が悪かったのでしょうか?
エリボン杯よりもずっと生彩を欠いている感じ。
全体的に覇気のない演技でした。

得点はアレなので、ここではいちいち書きませんが、
(いろいろいっても無駄なので)
ですが、調子があまりよくないことは確かです。

ジャンプの回転不足は相変わらずですが、
キム選手に関しては多少の回転不足でも
とにかく着氷すれば加点を与えるという
彼女だけ特別な採点システムがあるようなので、
なんともいえませんが、

ただ彼女のジャンプが去年よりも激しく劣化してきていることは明らかで、
特にセカンド3Tの着氷が目に余るほどひどい。
着氷時にしぶきが上がるのは明らかに回転不足の証拠。
あれを浅田選手や安藤選手がやったら確実に<が刺さりますよ。

でも、キム選手に対しては見て見ぬ振りを決め込んでいるんですから
しょうがないですよね ( ̄ヘ ̄)ウーン

氏ねよ、ジャッジ  凸(`Д´メ)FUCK YOU!!



まあ、それは脇に置いといて、
わたしが気になったのはショートよりも、FPのほうでした。



キム選手、あきらかにフリップの矯正ができていませんね。

ショートのときはアウトまではいきませんが、
かなりフラットな状態で飛んでました。
それでも認定されているのは、
カナダや韓国のスケ連の豊富な人脈(もとい金脈?)と
強いパイプラインのおかげでしょう。

これはわたしの個人的な推測ですが、
事前にエッジの状態をジャッジに見てもらっているのではないかと思うのです。
どの程度のエッジの傾き具合ならば認定されるのかということを
ジャッジに見てもらって、インまではいかないけれども
この程度のフラットならば認定しようと事前に合意ができているのはないかと。
なので、キム選手も比較的安心してフラットのままで飛ぶことができる。

わたし個人は彼女のエッジは完全にアウトだと思っていなくて
(といっても、足元のスロー再生がないのでなんともいえませんが)
カナーリ怪しいけれどもフラットな状態に戻してきているのではないかと。

しかし、やはり実力に見合わない高得点はどこかで不平・批判が出るものです。
それをキム選手がまったく知らないわけではないと思います。
それに、自分だけがジャッジから特別視されていることは
選手たちもうすうす気づいているでしょうから、
当然自分への風当たりは強くなるし、
また(日本以外の)海外のマスメディアの不評を買うばかりで、
それはそれでプレッシャーとなります。

キム選手だとて馬鹿ではありません。
それなりの努力は必要だと思っているはずです。
実際、彼女のフリーでのフリップはインに近い形で飛んでいました、
というよりも、飛ぼうとしていたといったほうが正しいかな。
ですが、失敗していましました。
ここに彼女の問題点がはっきりと露呈されていると思います。

やはりエッジは矯正されておらず、
正しいエッジで飛ぼうとすれば、ジャンプに狂いが生じ転倒するということです。
そして、フリップの失敗がルッツも狂わせたということです。

もちろん最初のコンビネーションが失敗した精神的ショックも大きいでしょう。
しかし、それだけではないような気がします。
ルッツは明らかにタイミングが合わず、回転不足のまま降りていましたし、
その回転不足のまま降りてきたことが、セカンドの3Tのジャンプを飛べなくさせました。
彼女の回転不足は、調子が悪ければかなり深刻な形で出るということでしょう。

ただ、FPでもかなりジャッジの救済は入ってました。
2A-3Tのセカンド3Tはいまだかつてないほどの
ごまかしのきかないほどのあからさまな回転不足でした。
これに<を取らないのは・・・、ねぇ・・・ε-(‐ω‐;)

2A-2T-2Loの2Aも明らかに回転不足でした。
グリって着氷してから回ってるじゃん。
ちょっと、ジャッジ、もっとしっかりしてよー ( ̄´д` ̄)

とにかく調子が悪かったことは確かで、
それが、朝日新聞がいうところの、単に勝たなければいけないという
精神的プレッシャーだけだったとは思いません。

エリボン杯のときからも気になっていましたが、
(というか、韓国で開かれたアイスショーですでに思っていたことですが)
キム選手は全体的に技術的レベルが
ごまかしようがないほど劣化しているのです。

キム選手はセカンドの3Tをつけるのは
女子にしてはめずらしく得意な選手で
おそらく3-3のコンビネーションジャンプを飛ばせたら、
女子では世界一だと思います。
(もちろんセカンドに3Loをつけられる浅田・安藤両選手を別にして)
しかし、その3-3も2006年のときのほうが
もっと軽やかに、そして、より回転不足がなく飛べていました。
今は、確かに助走のスピードは相変わらず速いですが、
ジャンプがずどーんという感じでどこか重いです。
グリ降りが多くなってきている印象は否めません。

このごまかしがどこまで続くのか。
(そして、ジャッジの救済がどこまで続くか。)


フラット選手の成長もすごく気になります。
今季はひじょうに調子がいいのではないでしょうか。
個人的には、あまり印象のない選手でしたが、
昨日の試合はSP/FPともにすばらしい出来でした。
SPの3-3の失敗がなければ優勝していたかもしれません。
(絶対にありえないだろうけど (;^ω^A )

個人的にはサーシャ・コーエン選手が出場が気になっていました。
もし彼女が出場して、それなりの演技をしていたら
もっとキム選手に違った点数が出ていたかもしれないからです。

ただキム選手本人以上にジャッジは斜め上ですから・・・
GPFしだいですよね。
ジャッジはどこまでキム選手に点数を出すか。

サムスンの訴訟問題も微妙に影響していると思いますし・・・

あと、浅田選手の調子も大きく左右すると思いますよ。
彼女が調子を取り戻してくれば、また違った展開になるかと思います。


(次はロシア杯のプルシェンコ考察です)


2009/10/23

スゴすぐる…ガクブル((ノ)゚Д゚(ヽ))ガクブル 



とりあえず貼っておきます。

Evgeni Plushenko SP CoR 2009


あまりにもスゴすぐる・・・

ウソ━━━Σ(-`Д´-;)━━━ン!!

恐ろしいほど美しい4T-3Tに3A・・・
ルッツは失敗しちゃったけれども、
3年間の長いブランク明けの復帰試合としては上出来ではないでしょうか。
技術点がひとりだけ40点台って・・・
これでルッツが決まっていたらどんだけ~
小塚君も10点以上差がつかなかっただけラッキーと思わないと。

でも、思ったよりも演技・構成点が伸びていないのがちょっと懸念材料かな~
やっぱりつなぎとかその他の面で厳しいのかな。
しかし、これも来年までには調整してくるから問題なしかと。

また土曜日の夜あたりにでも詳しく考察いたしまする~
とりあえずうpしておきました

m(o´・ω・`o)mペコリン

2009/10/22

2009-2010シーズン到来 エリボン杯 女子FP 考察 その2




《前回からの続き》


では、次は浅田選手にまいりましょう。




なんど見てもすごいプログラムですよね。
なにもかもが荘厳で、荘重で。
見ている者を何かこう厳粛な気持ちにさせるというか。
ラフマニノフはもともとドラマティックな曲を作ることに長けた人ですが、
それにしても、ドラマティックすぎますよね。
なんといえばいいのかな、神の領域に触れたようなというか、
そういう神聖さを感じる。
そして、何よりもすごいのは、浅田選手がその音楽に負けず、
しっかり演じきっているということ。
19歳の、まだ大人にもなっていない女の子がですよ、
こういう魂の根源に触れたような表現をしているのが本当にすごくて・・・。

キム選手とは別の意味で言葉にならないというか・・・

わたしはこのプログラムが大好きなので、
変えるべきではないと思っていますが、
なかにはもっと浅田選手に似合う
華やかな曲にすべきだという人もいるようで・・・
特にカナダの人はそう思っているようですね。

でも、わたしは変えるべきではないと思う。
このプログラムは完成させたら、まさしくネ申プロになりますよ。
それに、もしオリンピックでネ申演技をしたらまさに「伝説」になると思う。
ソルトレークのヤグディンの「仮面の男」のように。
まさにタラソワ渾身のプログラムだと思います。
それほどまでにタラソワは浅田選手に全てを賭けている。

浅田選手のイメージにそぐわないというのであれば、
観客や解説者たちに文句を言わせないようにすればいいんですよ。
浅田真央は「春のお姫様」だけの選手だけではないと。
そうやって自分の実力でイメージを覆していけばいい。
そして、そうやって一辺倒のイメージでしか見れない人に
自分のほうが間違っていたといわせるようにすればいいだけです。

浅田選手はそういう実力をそなえているし、
現に少しずつではありますが、
プログラムを完成させてきているではないですか。

ステップもJOのときよりもずっと上手くなっていたし、
スピン・スパイラルも改善が見られました。
プログラム全体に流れができて、スムーズになったと感じます。

最初の3A-2Tのコンビネーションは完璧でした。
3Aの精度はすばらしいですね。
2Tをつけても危なげなく降りられるようになっている。
あとは確率を高めるだけ。試合では必ず成功させなければ。
これは今後の大きな課題だと思います。

以前も書きましたが、浅田選手の構成は少しいびつです。
アクセルに頼りすぎている。
個人的にはルッツや3F-3Tを入れてバランスを取るべきだと思いますが、
浅田選手がアクセルで行きたいと望んだそうですから、
アクセル主体の構成で行くならば、絶対に成功させなければならない。
実はここが浅田選手の現時点での弱点かと思います。
決まればすごいけれども、その分失敗も多い。
やはりプルシェンコのような絶対的な確率で跳ばなければ。

それと体力。
最後の2Aでの失敗は去年のGPFの3F失敗と重なりました。
3A2回は、今季の浅田選手を以ってしても
とてつもない体力がいるということです。
しかも、そのあとには45秒の怒涛のステップが待っている。
その体力の配分をどうするのか。
これも大きな問題です。

ジャンプの失敗は・・・、
ループに関してはかわいそうで見ていられませんでした。
単独のループはどう考えても回転不足には見えない。
あれで回転不足を取ったら、
キム選手のジャンプはもっと回転不足をとらなければならない。
ようするに今季採用されることとなった「見た目のいいジャンプへの積極評価」は
キム選手にしか適用されないということになる。
ループの厳格化は去年よりもひどくなった気がするのはわたしだけでしょうか。

これは無言の圧力ですよね、構成をキムヨナにしろという。
つまり、ルッツをいれ3F-3Tを投入しろといっているんだと思います。

ただ3F-2Lo-2Loに関しては若干の回転不足が見られました。
3Fの跳び方を変えたのでその影響かと思われます。
いっそのこと3F-2T-2Loにしたほうがいいのかもしれません。
浅田選手はセカンドジャンプにTをつけるのが苦手ですが、
アクセルにはつけれるので、2Tなら大丈夫ではないかと。

個人的にはFP・SPの両方とも構成を変えたほうがいいとは思っています。
3AはFP一回にすべきです。
浅田選手の今後の成功率にもかかってますが。
しかし、彼女へのダウングレードが(キム選手よりも)苛烈なのは、
やはり3Aを跳ぶからだと思います。
男子もそうですよね、
4回転を跳ぶ男子に対してのダウングレードが厳しいことを。
チャンのエッジエラーは見逃されても、
ジュベールのエッジエラーは見逃しません。
これは明らかに難度の高いジャンプを飛ぶ選手に対しては
厳格にジャッジするということを示唆している。
女子の浅田選手も例外ではないわけです。

ただ難度を下げたところで
キムヨナよりも高い点数が取れるのか、
という疑問がありますが

もしかしたら浅田選手はもはやバンクーバーでの
金メダルを捨てているのかもしれない。
誰かにすでに言われているのではないでしょうか。
バンクーバーでは金メダルはキムヨナに取らせるつもりでいると。
けっこうこういう話はあるようですよね。
前にも書きましたけれども。
カート・ブラウニングは選手時代、
次の世界選手権ではジャッジはペトレンコを優勝させるつもりでいるから、
負ける準備をしておきなさいといわれたことがあるそうですから。

浅田選手だってそういう話を聞かされていないとは限らない。
バンクーバーで金メダルを取れないというのであれば、
少なくとも『記録』という面では、
誰もが達成できないことをしたいと思っても不思議はないはず。
まあ、これはわたしの単なる想像ですが ( ^ω^;)

とにかく浅田選手がアクセル主体の構成で行くならば
かなりのリスクは覚悟しなければならないのは確かです。
プログラムの完成度は増してきているとはいえ、
ループなど前季では想像もつかなかった問題が発生しているのですから。

考えてみれば、安藤選手も4Sにこだわるあまり、
昨シーズンの前半は上手くいきませんでした。
しかし、4Sをあきらめて構成を下げた結果世界選手権で見事復活しました。

今のルールは全てがおかしなことばかりで、
構成を下げれば点数が高くなるという不可思議な採点システムです。

今後のロシア杯以降の点数の出方しだいでは
真剣にジャンプの構成を考え直さなければならないかもしれません。
浅田選手が本気でこの採点システムで
金メダルを取りたいと思っているのであれば、ですが。

2009/10/21

2009-2010シーズン到来 エリボン杯 女子FP 考察 その1



スイマセン m(o´・ω・`o)mペコリン
更新遅れてしまいました。

かなり日にちがたってしまいましたが、FPの感想・考察を・・・。

といっても、あまりにもばかばかしくて考察する気になれないのですが・・・

ま、とりあえず、キムヨナ選手から見ていきますか。

プログラム全体の感想はSPと一緒です。
まったく感動しないプログラム。
やってることは去年と一緒。
変わり映えのしないプログラムを音楽だけかえてやっている。
だが、要素はそれなりに満たしているのであの高得点。。。
プルシェンコだってあんな点数、出せないでしょうに。

点数のことはどうでもいいです。
もう勝手にやってくださいという感じです。
ですが、ジャッジとしてはもう引っ込みがつかないのでしょう。
もしキム選手の点数を下げれば、
ジャッジは自分の誤りを認めることになる。
彼らとしては絶対にそれだけはしたくないでしょう。
収拾がつかなくなりつつあるのを分かっているのに、
いまさら引っ込みがつかず、このまま突っ走ろうとしている。
それが思わぬ墓穴を掘ることにならなければいいのですが。

しかし、そもそもなぜこういう風にキム選手だけ点数が爆上げされるのか。
それは浅田選手の『進化』と深く関係があるのだと考えます。

つまり、浅田選手は昨シーズンから
3A2回投入という女子としては最も基礎点の高い構成にしました。
かたや、キム選手はこれ以上基礎点を上げれません。
もし浅田選手がすべてのジャンプを決めてしまえば
浅田選手の圧勝ということになり、
「キムヨナVS浅田真央」の構図は崩れてしまいます。
これはISU的にはまったく美味しくない。
ISUとしては韓国からもっとお金を引き出したいし、
日本からもお金が欲しいはず。
そのためには、興行としての「キムヨナVS浅田真央」が必要です。
だから、キム選手の点数を上げざるを得ない。
そうしなければ、基礎点の上で絶対的に負けてしまう
キム選手には圧倒的に不利です。
したがって、キム選手は『演技・構成点』または『GOE』で爆上げされることとなった。
特にGPF以降。浅田選手が3A2回を初めて成功させた以降と重なります。
4CC以降キム選手の点数は高止まりを知らずどんどん高くなっていきましたね。

そして、この爆上げは今シーズンでも続くということです。
浅田選手がプログラムを完璧に滑れば、
200点以上は確実に出るわけですからね。
(点数の操作をしなくてもという意味です)
そうなってしまったら、韓国側としては面白くないし、
ISUとしてもお金をたくさん払ってくれる韓国に対して
顔向けできないでしょうから。

ですが、キムヨナ選手の実力・技術を純粋に見た場合、
明らかに劣化してきていると思います。
びっくりしたのは2A-3Tのセカンドジャンプ。
肉眼で見てもはっきりと分かるグリ降り・・・。
あれはひどすぎる。
確かにイーグルからのコンビネーションなので
難度が高いことは認めますが、いくらなんでも、あれは・・・
また、最初の3Lz-3Tもセカンドジャンプもひどい回転不足でした。
ルッツだとフリップとは違って回転不足になりやすいんですよね、彼女の場合。
サルコウも微妙だったな・・・。
あれで認められるのなら、
浅田選手のループは認められてもいいんじゃないだろうか。

しかし、彼女のセカンドジャンプはなぜかいちども回転不足を取られない。
今季から採用されることになった「回転不足でも見た目のいいジャンプは評価する」
というのを、ISUは彼女にだけ採用することに決めたようです。

これも浅田対策でしょうね。
浅田選手は前季以上に3Aの精度を上げています。
3Aのコンビネーションジャンプは明らかに前季よりも精度が高いです。
決まれば回転不足なく飛べるということがエリボン杯で分かりました。
あとは成功率を高めるだけ。
彼女の弱点は3Aは決まれば美しいが、成功率は高くないこと。
もっと成功率を上げなければなりません。

ただ、どうなのでしょうね。
こういうキム選手への 爆上げをして
収拾がつかない状態になっているとは思うんですが、
オリンピックでもこの体制を維持していくつもりなのか。
別にバンクーバーはキム選手が金メダルでもかまいませんが、
でも、これではいくらなんでも日本人は面白くないでしょう。
ISUだとて日本人の機嫌は損ねたくないでしょう。
少なくともかなりの額のお金を落としてくれる国なのですから。
キム上げを維持し続ければ、日本人のファンは離れてしまいます。
彼らもその辺はそれなりに懸念してるとは思うんですけれどもね。
どうなることやら ε-(‐ω‐;)ハァ・・

そして、今週末からはじまるロステレコム杯での
プルシェンコの点数の出方にも注目ですよね。
彼の演技・構成点がどこまで出るのか。
これでキム選手以下の点数ならば
ISUはどのようにいいわけするつもりなのか。

最後に。
キム選手自身の懸念材料を。
キム選手はFPではもうフリップを飛べないかもしれないと思いました。
エッジの問題は、実は彼女も解決しきれていないのではないかと。
キム選手は何かがあって滑れなかったといっていますがそうではない。
単純に自信がなかったんだと思います。
キム選手だって馬鹿ではありません。
自分の回転不足、エッジの問題をそれなりに認識しているでしょう。
フリップに関してはエッジにかなりの不安を持っている。
飛べなかったらどうしよう。
だからできなかった。

SPでは見逃してもらえたけれども
FPでも見逃してくれるとは限りませんからね。
最初の試合は本人もかなり意識して跳びますから、
それなりにエッジは矯正されるでしょうが、
試合をこなしていくうちに
自然と自分の『くせ』がもどってしまうこともある。

ジャッジに大いに見逃してもらっているが、
キム選手にも大きな弱点があるということです。
そこがオリンピックという大舞台にどう響くか。
メンタルが強いといわれていますが、
キム選手は実はかなり打たれ弱い。
以前エッジエラーがついたとき、
次の試合では飛べなくなっていました。
あの時はかなり動揺したんだと思います。

《続く》

2009/10/18

2009-2010シーズン到来 エリボン杯 女子SP 考察 その2



《前回からの続き》

もしかしていまの浅田選手に最も必要なのは、「挫折」なのかもしれません。
キムヨナ選手はひそかにこの大きな「挫折」を経験してますよね。
なにかというと、3Aを試みたものの結局跳べなかったという挫折です。
韓国で浅田選手と比較されて、
自分も飛べると信じていた3Aが結局だめだったのですから。
オーサーのもとについたのも、最初の目的は3Aを跳べるようになるためだったはず。
しかし、その挫折が彼女を強くしたとも言える。

荒川静香さんだって、世界選手権を優勝して次の年落ちに落ちまくって、
オリンピックシーズンでも浮上できなくて、
最後の最後で起死回生!って感じで優勝したわけですから、
ひょっとしたら、浅田選手ももっと「苦しみ」が必要なのかもしれませんよね。

でも、冷静に考えてみても、
あの「天才」といわれたプルシェンコでも、
最初のオリンピックでは金メダルが取れなかったのですから。
しかし、逆にそのことが大きな挫折となって
プルシェンコは絶対的な強さを持つ史上最高の選手になったわけですから。
もしかしたら、浅田選手の本当の強さは
バンクーバー以降に発揮されるのかもしれない。

ものすごい勢いで進化し続けている浅田選手ですが、
やはりまだ彼女は「未完成の」天才なんですよね。
そこがプルシェンコと大きく違う。
プルシェンコはすでに自分が何者か知っている天才でした。
完全無欠だったわけです。
したがって、新採点システムに変わっても彼をつぶすことはできなかった。
彼の技術が突出していたため、回転不足を取ることができなかった。
しかし、浅田選手の場合、女子ゆえの弱点がいくつかあったわけです。
そこをルール改正で大きく付かれてしまった。

もっと前にエッジを矯正していれば・・・と思います。
いまさらテクニカルなコーチを呼んで、1~2年という短い期間で
エッジを矯正しようとしても無理だと思います。
山田コーチについていたときに矯正すべき問題だったと思います。
これは日本のスケ連に大きな問題がある。
こういうルール改正の動きを読めず、
また、強豪選手となった日本選手をつぶそうとする
動きを読むことができず、彼女たちを守ろうとさえしなかった。

タラソワ以外のコーチについても同じだったと思いますよ。
今、盛んにタラソワはもうだめだとか言ってますが。
現にこちらに来られる方の中には、
「タラソワはもうだめ」というワードで検索していらっしゃる方もいます。
では、カナダ人のコーチにつけば
キムヨナ以上の点数がついて勝つことができたのか。
それは大いなる疑問です。


まあ、いろんなことをいっていますが、
まだシーズンは始まったばかり。
これからいろいろと調整もあるだろうし、
長い目で、穏やかな気持ちで見守っていきたいと思ってます。


で、次はキムヨナ選手ですが・・・




「・・・」
正直、何も感じませんでした。
こんなに感動しなかったプログラムはありません。
何の感慨もない。
確かにジャンプは正確で、完璧だし、
エッジの矯正もできている。
スピン、スパイラルのレベル取りもOK  
ステップも要素は満たしている。
でも、ただそれだけ。
去年とまったくかわり映えしない振り付けがそこに存在している。
シェヘラとまったく同じじゃんステップ。
こんなに人を馬鹿にしたプログラムってあるでしょうか。
わたしは見ていて怒りがこみ上げてきました。
音楽だけが違って、中身は全部以前と一緒。
それで76点が出るという。
これが現在の新採点システムなのでしょう。

しかし、もしこれが未来のフィギュアのあるべき姿であるというのなら、
わたしは一生フィギュアスケートを見ないし、ファンにもならない。
これはもはやフィギュアスケートではないとさえ思う。

キムヨナ選手の演技は完璧です。でも、感動はできない。
しかし、同じ「完璧」をもったプルシェンコはなぜ感動できるのか。
そこには人間を超越した技を機械のように正確無比に
繰り出す天才のあるべき姿を垣間見ることができるからです。
彼は決してSPに3-3を入れるような愚を犯さなかった。
いつでもどんなときでも、怪我をしているときでさえ、
そして、いま満身創痍で復帰をしようとしているときでさえ
男子最高の4-3を入れようとしている。
そして、それを誰よりも完璧にこなす。

しかし、誰もができるであろう技を完璧にやってみたところで、
果たしてそれは「美しい」と感じるのか。
体操の冨田洋之がそうだったじゃないか、
どうして「完璧」を追及するキムヨナが批判されて、
冨田洋之が批判されないのかという方がいますが。
冨田氏は決して「難度」を軽視してはおりませんでした。
高い難度を維持しつつも、その技を究極にまで高めるということをしていたのです。
だからこそ、日本人は彼を高く支持したわけです。

かたや、キムヨナはだれもができるであろう2Aを「完璧」に跳ぶわけです。
ジュニアの子ができる技を。「完璧」な2Aだとかいって。尊敬などできません。

キムヨナ選手を見ていると、
『ガラスの仮面』という漫画の姫川亜弓の「ヘレン・ケラーの演技」を思い出します。
完璧な演技なのだけれども、あまりにも型にはまりすぎて、何の面白みもないという。
結局姫川亜弓の演技は高く評価されたものの、賞を受賞するまでにはいたらず
北島マヤが受賞することになるのですが。
わたしはそういう印象をキムヨナ選手に抱きます。
確かに韓国のメディアが評するように「教科書」のようなのでしょう。
しかし、そこには個性も、面白みも、進化も何もないわけです。
もっと言えばキムヨナの演技に
浅田選手のようなプログラムを完成させようとする情熱がまるで感じられないのです。
与えられたことをただ「教科書どおりに」こなせばいいと思っているだけ。

その演技をすれば確かにいまの採点システムでは認められるのでしょう。
キムヨナ選手は明らかにいまの採点システムが作り上げた最強の選手です。

浅田選手というのはISUにとって
おそらく昔の伊藤みどりさんのような存在なのでしょう。
そして、その亡霊がふたたび日本に登場したことを心から恐れている。
浅田選手も伊藤みどりさんも、
彼らにとっては「異端」であり、排除すべき存在なのです。
技術ひとつ取ってみても、その体力や、表現力を見たって
浅田真央のような選手は現れたことがなかったのですから。
もし彼女がアメリカ人やヨーロッパ人だったら歓迎されたでしょうが、
くしくも伊藤さんと同じ国の人間だったことがいまの浅田選手を苦しめている。
そして、キムヨナは逆に浅田選手の当て馬的存在として、
ISUからの強い支持を受けることとなり、一気に脚光を浴びた。


新採点システム推進派ISU=キムヨナVS浅田真央=旧採点システム復活派

という対立軸がはっきりと見えます。

でも、本当の天才というものは常に叩かれるものですし、
むしろそういうバッシングにあっても、それを乗り越えていかなければならない。
前にも書きましたが、
浅田選手がこのシステムと真っ向から対峙していきたいのならば、
「真の強さ」を身に着けなければ。
つまり、プルシェンコのように
3Aやセカンド3Tのコンビネーションを有無を言わさず完璧に跳べる技術と
他人と圧倒するような表現力を身につけること。
やはりジャッジに付け入る隙を与えないような選手にならなければ。

もしいまのプログラムを浅田選手が維持していくのであれば。

浅田選手の戦いというのは、
オリンピックで金メダルを取るという戦いではなく、
システムとの戦いという最も困難な側面を多分に含んでいる。
もし彼女が新採点システム的なプログラムを
あくまで拒否したいのであればですが。

この戦いに勝てば浅田選手は、ある意味、
プルシェンコのように誰も手をつけられないような絶対的な存在となり得、
しかし、負けてしまったときは、もはやキムヨナだけではなく、
二番手・三番手の選手の足元にも及ばなくなるような
選手になってしまう可能性すらある。
(つまり、完膚なきまでにISUにつぶされてしまう)

わたしたちが考えている以上に、
浅田選手は難しい選択をしたのだと思います。

わたしたちファンは黙って見守っていくしかないとは思いますが。

2009/10/17

2009-2010シーズン到来 エリボン杯 女子SP 考察 その1



いよいよはじまりましたね、GPS。
といっても、まだ全部見ていないんですが。
特に男子。なんか波乱の幕開けだったようで・・・
でも、今シーズンはオリンピックという大舞台が控えていますからね。
昨シーズン以上に調整試合的な意味合いが強いはず。
たとえジュベールが不調でもそれほど気にすることのほどでもないのでは?
と思っております。
といっても、まだジュベールのSPを見ていないんでなんともいえないんですが。

パトリック・チャンがロステレコムを辞退したそうですが、
彼も当にGPSは捨ててますよね。
完全に照準をオリンピックに合わせています。
わたしもそれでいいと思います。
GPSのような金目的の試合の結果に
いちいち反応しているようでは身が持たないですよ。
いかにオリンピックで最高の演技をするのか。
それがいちばんの見所だと思っています。


で、早速女子のショートの感想を。
といいたいところですが、まだ全員のを見ていない・・・orz
なるべく今日中に見ようと思いますが、
いちおう主要選手、というか皆さんが最も関心のある
浅田選手、キムヨナ両選手の感想を。

まずは浅田選手のSPから。




浅田選手にしてはそこそこいい出足だったのではないでしょうか。
確かに最初のアクセルは失敗しましたが、
セカンドジャンプをいちおうつけて飛べていたし、
ほかのジャンプは失敗がなかったのですから、こんなものかと。
去年のエリボン杯に比べたらぜんぜんましでしょう。
むしろ、わたしは浅田選手の欠点よりも彼女の進化のほうに目を見張りました。

まず、ステップ。
去年のFPではいっぱいいっぱいで、
とちゅうで体力が持たずにへろへろになっていたステップが
今シーズンでは格段に改善されているところ。
とても体が動くようになって、すごくキレがいい。
生き生きとして、躍動感にあふれている。
2005年以来ではないでしょうか、
浅田選手があんなに生き生きとステップを踏んでいたのは。
浅田選手の体の調子はとてもいいと思います。
昨シーズン以上のキレのよさ、充実を感じる。

それに、スピード。
去年以上にスピードがよく出ていて、
停滞した部分が少なかったのもよかった点でした。
去年の課題がきちんと改善されていて、
改めて、浅田選手の努力には敬服しました。

ジャンプに関しては、わたしは別になにも感じなかったな。
なんかもう2ちゃん辺りでは嵐になってますが、
でも、去年のエリボン杯なんてもっとひどかったじゃないですか。
去年に比べたら、今年のエリボンはぜんぜんましですよ。
最初のアクセル以外は、きちんと飛べているんですから。
(回転不足その他は別にして、きちんと着氷できているという意味)

たしかに3Aは失敗してしまいましたが、
でも、コンビネーションをはずさなかっただけ立派。
去年の彼女なら絶対にコンビネーションもつけられてなかった。
浅田選手は失敗をしても、
それを最小限に抑えようと努力しているのが本当によくわかります。


曲に関しても取り立てて悪いとは思いませんでしたし、気になりませんでした。
去年とはまったく同じでしたけれども。
でも、去年とは違ってからだのキレもよかったし、
スパイラルやスピンも悪くはなかった。
逆にとてもスピードが出ていてよかったです。
全体的にスピード、躍動感という点で改善があるんですよね。
これはやはり去年からやっているプログラムだということもあるかと思います。
あとはジャンプの精度を高めていけば問題はないと思いますね。

ただ、若干気になった点を上げれば、
いつものようにスパイラルやスピンのレベルが取れていなかったこと。
スパイラルに関しては、
これはJOのときから気になっていたんですが、
チェンジエッジが見られないんですよね。
たぶんやっていると思うんですが、
なんというか、素人目にははっきりわからないというか。
その辺がレベルを取りこぼしてしまった要因かなと。

これは今年の世界選手権から
けっこう厳しくチェックされているみたいで、
このあたりのレベルの取りこぼしが痛いかな~。
オリンピックシーズンなので、きちんとレベルを取っていかないと。
これは今回のSPでは悪い部分かなと。
ですが、ロステレコムで調整されるでしょう。

あとは、ジャンプ。
わたしは3Aがすごく気になります。
昨日でしたか。彼女の練習を見ていたんですが、
アクセルを失敗していて、それがJOのときとまったくおんなじ失敗の仕方だったんですよね。
なんか、軸がぐにゃっと曲がってしまったような落ち方をしていて。
ジャンプの調子があんまりよくないような気がします。
3Fの着氷もよくなかったし。
もしかして怪我をしているんじゃないでしょうかね。
なんか足をかばっているような感じがするんですが。
浅田選手は怪我をしても絶対にそれを周囲には漏らさない人です。
ですが、今年はオリンピックを控えた大事なシーズン。
あまり無理をしてほしくないというのが正直な感想です。

それと、やはり構成が少しいびつすぎますよね。
アクセルに頼りすぎている。
残念ながら浅田選手のアクセル成功率はそれほど高くはありません。
練習で7回跳んで4回成功させたという記事を見ましたが、
この成功率では正直、試合で投入したときもっと低くなるでしょう。
やはり練習の上でも百発百中でなければ。
それでも、本番では失敗することがあるのですから。

厳しい見方をしてしまえば、
浅田選手の考えは少し甘すぎるところがある。
確かに試合に出てやってみなければわからないところがあるのですが、
プルシェンコを見れば一目瞭然ですが、
彼が4回転や3Aを失敗することはまれです。
失敗したときは、彼の調子が悪いときだけ。
やはり高難度のジャンプを跳ぶからには、絶対的な精度がなければ・・・。

それと、精神的な面もちょっと・・・。
批判というわけではないのですが、
浅田選手は良くも悪くも器用な選手なんです。
なんでもよくできてしまう。だから3Aもすぐにできてしまった。
しかし、問題はその精度なんです。
ツーフット、回転不足等。
技術面がとても低い。というか、未完成。
少なくとも新採点法に対応できていない。
もちろんこのシステムの裏には浅田選手(というより日本の女子選手)を
つぶそうというもくろみがあってのシステムなので、
浅田選手の強さをことごとく剥ぎ取られてしまったのですが、
問題なのはそのあと。
浅田選手はそれを克服できると信じ込んでしまったこと。

キムヨナ選手と浅田選手のちがいは何か。
それは「限界を知っている」ということだと思います。
正直、キムヨナ選手は浅田選手ほど才能はありません。
アクセルはまったくだめだし、ループもだめ。
飛べるジャンプがあまりにも少ない。
しかし、自分の限界を知っているからこそ、
その限られた技で、最大限の成果を出そうとしている。
技を磨いて完成度を高めようとしている。
そのことが、新採点システムにぴたりと当てはまった。
そして、それが彼女を最強の選手にした。

かたや、浅田選手はどうか。
彼女は天才ゆえの「万能感」を持っている。
これは同時に彼女の弱点にもなって、
なんでも努力すればできると信じ込んでしまっている。
アクセルも練習すれば、ルッツの矯正も努力すれば・・・・。
しかし、凡人なら誰でもわかることですが、
いつかは自分の限界に気づかなければならない。
まあ、それに気づいてしまったら、もはや天才ではなくなるのですが。
でも、少なくとも努力をしてもできないことはあることを認めなければ。
要するに取捨選択ですよね。これができないと。
こういう子どもっぽい「万能感」が
彼女の才能を今ひとつ開花できずにいる一要因の気がします。

そういう欠点も含めて、浅田選手が好きなんですが。

浅田選手のプログラムは、良くも悪くも
旧採点的なんですよね。
すごく印象的で、心に残るプログラムなんだけれども
その一方で、技術面では大雑把というか、
スピン・スパイラルのレベルの取りこぼしが多かったり、
ジャンプでの回転不足が目立ったり等するという。
その間逆を行くのが、キムヨナ選手なのでしょうが。

ですが、わたしはキムヨナ選手のプログラムと浅田選手のプログラムと
どちらが好きかといわれたら、
有無をいわず、浅田選手と答えると思います。
浅田選手の演じようという強い気持ちがとても伝わってきたからです。
それがとても深く印象に残りました。

元来フィギュアスケートというものは、そういう競技だったのではないでしょうか。
技術的には確かに不足はあるけれども、
全体の印象のすばらしさや感動、そういったもので点数をつけていたはず。

しかし、新採点システムになって
確かにジャッジは判定が楽になったけれども、
その分観客にとっては見ていて面白いプログラムがなくなってしまった。

もしかしたら浅田選手は旧採点システムの最後の異形なのかもしれない。
また、新採点システムへのアンチテーゼを唱えようとしているのかも。

《続く》