2010/02/21

《4回転論争》-プルシェンコに対する誤解


悪夢の男子シングルからもうすでに2日がたっているのに、
心のなかのもやもやがまったく晴れません。

プルの演技を見るのがつらくてつらくて
特にフリーは本当に演技をする前から涙が出てしまいます。
いちおう録画をしてあるんですが、一度も見ていません。
あまりにもつらすぎて。

しかし、それよりもつらいのは、
プルシェンコの発言に対する誤解です。
mixiなんかの日記を見てると、そのほとんどが「いいわけするな」とか
「負け犬の遠吠え」とか、そういうネガティブな意見ばかり。
なんだかプルが自分の結果を受け入れず、
「本当は俺のほうが強いのに、ジャッジが悪いから負けたんだ」と思われて・・・。

プルファンではなく、今回のプルの発言がよくないと感じている人は
ぜひ当ブログを読んでいただきたいです。
プルはきちんと「自分の結果を受け入れる」といっています。
だけれども、「いまの採点システムは受け入れられない」と異議を唱えているだけです。

プルシェンコは高い技術を持っています。
無難にプログラムをこなそうと思えば、こなすこともできました。
しかし、彼はそれをあえて拒否し、難度の高いプログラムにしただけです。
よく4回転を二回入れればよかったのに、という意見がありますが、
ライサの4回転のない、3-3の構成が
4回転2回を入れてようやく釣り合うものなのでしょうか?
それほどプルシェンコのスケート技術は低く、
逆に、ライサの技術は高いとでも?
プルはスピンやステップが劣っているから、
もっとジャンプを入れて点数を稼げばいいと。
そのためには、無難な構成で滑るライサよりも
もっと難しいプログラムで滑らなくてはならない?

逆に、ライサのミスのない演技が、プルの生彩を欠いた演技よりも
完成度が高かったから金なのだという人もいます。
『number』の記事はその典型かと思います。
しかし、もしプログラムの『完成度』が採点を大きく左右するのなら、
なぜジョニー・ウィアーの点数は伸びなかったのでしょう?
私はジョニーの演技のほうがずっとすばらしかったと思います。
もちろんライサもすばらしかったけれども、
ジョニーは自分の『世界観』をプログラムに反映させていた。

結局、プログラムの完成度が問題ではないのです。
仏紙にすっぱ抜かれていましたが、
男子シングルが始まる前に
「つなぎの少ないプルシェンコの点数を下げるように」というメールを
アメリカのジャッジが他のジャッジに送ったそうです。

これがすべてを反映していると思います。
そして、パトリック・チャンの異常に高い点数も。

もちろんチャンの点数が高いのは
スケーティングがずば抜けているからだという人もいます。
しかし、スケーティングがすばらしいのは小塚選手も同じです。
私には二人のあいだにはそれほど差があるとは思えない。
むしろ小塚選手のほうがずっと上手いと思っています。
佐藤有香さん仕込みの、
パンにバターを塗るようなすっとなめらかに滑るスケーティングは
チャンのエッジが深く、粘っこいスケーティングよりもはるかに好感が持てる。
好みの問題ですが、でも、結局のところ差はないのです。
では、なぜ点数の差が出るのか。
それはチャンのプログラムの「つなぎ」が異常に多いから。

かつての採点システムではジャンプの比重がやや高く、
そのほかの技術はあまり高く評価されていないので、
いまの採点システムではもっと
スケーティングやスピンをもっと評価していこうという方針でした。

ですが、個人的にスケーティングやスピンの点数が
ジャンプと同程度に評価されているようには思えません。
確かにスピンの技術は向上したかもしれませんが、
その一方で、みなレベルを稼ぐために
同じようなスピンを行うようになり個性が失われました。
また、スケーティングですが、
ディープエッジの使い方のうまい選手
を高く評価するという方針のようですが、
前述のように同じディープエッジの使い手である
小塚選手の点数はあまり高くはありません。
ただ、ジャンプやスピンのあいだにある「つなぎ」が多いと、
異常に高く点数が出る。
というか、ジャッジの評価はそこに重きを置いている。
いや、ほとんどつなぎだけにしか評価をおいているように見えない。

だが、かといってキムヨナの「つなぎ」は多いのかといえばそうでもない。
ジャッジ自ら「すかすか」といっているのに、
スケーティング技術はチャンよりも高いのです。

つなぎの多さはいったいどこで判断するのでしょうか。
プルシェンコはSPで3Aを飛んだ後、
ステップを入れてつなぎにしていましたが、
残念ながら、高くは評価されませんでした。
しかし、3Aのあとにあれだけのステップが踏めるのは、
高い技術がなければできないことです。
つなぎの質が高いとされるチャンでもおそらく入れられないでしょう。
それでも、チャンのほうが上だというのなら、
『質』の高さをいったいどのような基準でジャッジは判断しているのか。
どうしてもそこに主観が入り込むような気がしてないません。

しかも、ジャッジの講習会で
プルシェンコや浅田真央のプログラムを「悪い例」としてとりあげ、
キムヨナやPチャンのプログラムを「よい例」として
とりあげられていたと報道されていましたが、
そこに、どうしてジャッジの「刷り込み」がないと判断できるのか。
悪い例として取り上げられた選手は、
演技が始まる前から、はなからこの選手はよくないという目で見られてしまうのでは?
こんな主観だらけの判定で、いったい何を競うのでしょうか?
『質』を争うというのは、結局その人の主観でしかありません。

『質』をもっととジャッジは言いますが、
本当の意味で『質』を争いたいのであれば、
コンパルソリーを復活させればよいだけです。
アイスダンスはまだあるのですから、
本当にジャッジが『難度』重視の方向から、『質』重視に変えたいのなら、
コンパルを行わせればいいことです。

しかし、彼らはやらないでしょう。
なぜ? コンパルをやれば主観の入り込む余地はなく、
ジャッジは勝たせたい選手を勝たせることができなくなってしまう。

プルシェンコがいうとおりだと思います。
『点数を操作して、勝たせたい選手を作る』
そういうシステムなのです、いまの採点システムは。

そして、彼が怒っているのは、
そういう主観だらけの採点システムなのです。

しかし、ジャンプは別です。
どうしても採点競技はジャッジの主観が入るもの。
ですが、ジャンプは純粋な技術です。
そこに主観の入り込む余地はない。
純粋に難しいジャンプを飛べば評価するし、
飛べなければ、点数を下げる。

旧採点法もたくさんの主観や偏見に満ちていましたが、
それでも100年近く支持されてきたのは、
そういう主観があっても、結局はみなが納得できるところに落ち着いていたからです。
それは結局は『技術』で判断されていたからだと思います。

よく伊藤みどりさんが勝てなかったのは、スタイルが悪かったからとか
『芸術性』に乏しかったからとかいわれていますが、そうではありません。
あの時代、まだ規定という競技があり、それが伊藤さんはうまくはなかったからです。
逆に、カタリーナ・ビットが勝てたのは、規定に強かったからです。
いわゆるコンパルソリーですよね。

そして、プルシェンコに関していえば、
2004年の世界選手権のフリープログラムは
彼はジャンプの前に転倒してしまうというアクシデントがありました。
ですが、結局は優勝しました。
それはジャッジの単なる主観だけではありませんし、
彼が偉大な選手だからだけでもありません。
プルシェンコがプログラムの最初に4-3-2、4T、3A~half loop~3Fという
きわめて難度の高いジャンプを決めたからです。
これは誰もが納得のいく結果でした。



もちろんプルシェンコは『ジャンプ』だけの選手ではありません。
スピン、ステップ、表現力、そのいずれにおいても他を勝っていたのです。
たとえば、スピンは男子では初のビールマンスピンのできる選手でした。
ステップも、高速ステップと呼ばれるほどの速く細かいステップを刻むことができた。
そして、ロシアン仕込みのバレエ風味の、
指先まで神経の行き届いた格調の高い表現力がありました。
また、何よりもプルシェンコは音をとらえるのが天才的に上手かった。
私はいつも彼の演技を見るたび、
足元から音が湧き上がって聞こえてくるように見えるのです。
プルシェンコが音楽にあわせているのではなく、
音が彼に合わせているような、そういう音のとらえ方をしていました。



彼は総合力においてずば抜けた選手だからこそ、
いまの採点システムを批判しているんです。

むしろ、今回のオリンピックで
彼が銀メダルだったことは逆によかったように思います。
これでいまの採点システムのおかしさ、矛盾がわかったでしょうし、
採点システムの最高という議論が進んでいくのではないかと思います。

そういう意味では、プルシェンコの復活は
大変意義のあるものだったと思います。

また彼は復帰をする前から、
男子に『4回転』は必要だと主張しておりました。
今回のオリンピックで負けたから、
ジャンプの点数を高くしろといっているのではありません。

ずっと以前から『四回転』の重要性・必要性を唱えていました。
彼の主張には少しのブレもありません。
皆さんはそういうことを分かって上で、
『負け犬の遠吠え』といっているのでしょうか。

また彼の時代は4回転全盛期でした。
4回転をプログラムに一度入れただけでは勝てなかった。
前のところでも述べましたが、
本田武史氏が言っていたように
「4回転を三回入れても、プルシェンコやヤグディンには勝てるかどうか」
というほどのハイレベルな戦いだったのです。
そして、プルシェンコはそうした過酷な試合で、
常に勝ち続けてきたからこそ、
いまのクワドレスの状況を嘆き、苦言を呈しているのです。

彼によって4回転を飛ぶということは
アスリートとしての矜持そのものなのです。
負け惜しみでもなんでもない。

そういうプルシェンコの主義を理解した上で
反論して欲しいものです。


またgdgdと追記:
私が納得いかないのは
(そして、プル自身も納得していないのは)
プル自身の技術の衰え、
または、ライサのプルを上回る技術によって
彼が負けたからではなく、
ジャッジという魔物に負かされてまったことなんです。
もしプルだって、自分の技術や演技力がライサに及ばなかったのであれば、
こんな風に不満を漏らしたりはしなかった。
だけれども、自分のほうがはるかに技術が上なのに、
技術とは違う、非常に不透明な何かによって
負けたことが許せないと思っているんだと思います。
そして、私もいまだに心のもやもやが晴れないのは、
『絶対王者』であるプルが、
ヤグディンのような選手に負けたことではなく、
何か見えない力に負かされてしまったと感じているからです。
 

18 件のコメント:

ぐーるど さんのコメント...

初めまして。今シーズンが始まったあたりから、ずっと読ませて頂いております。
私は浅田真央選手のファンですが、タラソワ繋がりでヤグディン→プルシェンコ・・と動画サイトで彼らの過去の演技にはまっていき、今ではすっかりプルシェンコの虜です。

プルシェンコが復帰した当初から、4回転や技術の衰退・停滞へ危機感を持っていた事は明らかでしたよね。
プルシェンコに対して批判的な論調は本当に悔しいです(真央選手と比較してキム選手を上げまくる論調に対する歯がゆさと似てます)。でも、これをきっかけにプルシェンコの過去の演技を見て、すっかりはまってしまった!とか、彼の言いたい事が分かった、という意見もちらほら出始めています。

プルシェンコが復帰した事はものすごく大きな意味がありましたよね。プルシェンコが復帰せずにライサチェクが金メダルになったとしたら、こんな騒ぎにはならなかったでしょうし。
私としてはもっともっと揉めて議論が大きくなって欲しい。ライサには辛い日々になるのかも知れないけど。

今回の件について、分かったような口調でプルシェンコを批判する人達は、「点数が高いんだから真央ちゃんよりもキムヨナの方がすごいんでしょ」などと簡単に刷り込みをされてしまう方達ではないかと思っています。フィギュアに対する思い入れも興味も無いから、プルシェンコがどんな選手かも知ろうとしない。オリンピックだからたまたま見ただけで、その他の時は振り向きもしない。そんな人達は、放っておくしかないのかも知れません。

私はここでブログ主様がおっしゃっている事に、100%同意します!このブログに出会ってよかった。これからも楽しみに読ませて頂きますね。

さあ、口直しにまたニジンスキー見ようっと。

chobi さんのコメント...

初めまして。
良く拝見させて頂いていました。

私がプルシェンコ選手の演技を観たのは、今シー
ズンのGPSロシア大会なんですが、その時はジャ
ンプの技術力に圧倒されるだけで終わってしまい
ました。
なので、プルシェンコ選手に関する記事でその超
人ぶりを、観る事が出来て、とてもあり難かった
です。

今回のオリンピックはとても興味深い大会でした。

怪我と戦いながらも、パーフェクトに演技を終え
優勝したライサチェク選手を称えながらも、結果に
納得できない自分が居ることを否めないでいます。

私も「負け犬だ」とか「寂し男」と言う様な感想を
述べているブログをいくつか拝見しました。
本当に悲しかった。

でも、バンクーバーで初めて演技を観た方や、フィ
ギュアスケートで起きている問題を全く知らない方
は、一連の論争もあり、彼が何を意図して「4回転」
発言をしているのかなんて、知る余地もないんです
よね。それがまた本当に悲しいですね。

「4回転の価値はなくなった」
そうやって演技に取り入れるに値しない技がどんど
ん増えて行く事の怖さを、今回の大会で強く感じて
います。

これからも、記事楽しみしています!

craftsman さんのコメント...

初めて投稿します。

プルシェンコへの誤解に対するブログやコメントをネット上で見て、昨日から悲しくて辛くて・・自分だけでは消化仕切れず検索していたらこのブログに出会いました。
ああ、出会って良かった!もやもやした思いが取れました!!


実はフィギュアスケートを好きになってだいぶ経ちますが、最近の採点システムが変わらないようであれば今回のオリンピックを最後にフィギュアスケートを見るのをやめようかとまでさっきまで思っていました。短気と思われるかもしれませんが、実は一昨年くらいから現行ルールに嫌気がさし、先日の男子フリーで「ああ、もう駄目かも」との思いが強くなってしまい・・・

ライサ選手が嫌いでは決してありません。
ありませんが、やっぱりあの演技内容では私は銅メダルだったのではないかと思っています。プルシェンコも以前のような調子ではありませんでしたが、4-3を決め、軸がぶれようとも転倒せず降りている。さらにあの構成は彼独自のものです。4分半という時間があっという間に感じられる引力のあるプログラムはさすがだと思います。どう考えてもライサ選手の上に順位がこなくていけなかったと思います。(ノーミスは確かに素晴らしいことですが・・・)


今後ルールが変わるのか、現状維持なのかはわかりませんが(願わくは論争がもっと大きくなればいいと思っています)プルシェンコの渾身のメッセージが届き現行ルールが良い方向に変わることを祈っています。

最後に残りの女子について、日本選手の実力が発揮され(特に真央ちゃん頑張れ!)、黒いメダリストが出ないことを願っています。

bluedog さんのコメント...

はじめまして。
blog読ませていただたいています。

私はプルファンというわけではないのですが、今季五輪へのプルシェンコの復活は非常に意義深かったと思います。
確かにここ数年のチャンピオンは、"努力賞"になってしまっていました。バンクーバーでのライサチェックもある意味そうですよね?
現状ルール下でのライサの金は、私は納得しています。彼自身、昨シーズンはダウングレード地獄に悩まされ、今の採点方法に打ちのめされてきた人です。
彼とてクワドを飛べなくはない。だけどそれ以前の問題と対峙しなければならなかった。
今の採点システムは恣意的に勝たせたい選手を勝たせることができる、これはライサのコーチも言っていました言葉です。
"政治的思惑"やルールにたてついても仕方ない。まだメダルをもってないライサがそう考えても誰が責められるでしょう。
コツコツと修正しオリンピックにピークをもってこれたのは、やはり賞賛に値するものだと思います。
だからこそ、プルは「ライサのほうがより金メダルを必要としていた」といったのではないでしょうか。

今のルールは、極言すれば、チャンとヨナのために周到に用意されたものです。チャンは自爆しましたが(笑)
プルシェンコはこれに挑み、ライサは与した。
メダルの色はその違いだと思います。

だけど、ライサが今後「クワドを飛ばない金メダリスト」という喜ばしくない呼ばれ方をされるのは否めませんよね...。

それでもプルシェンコは、"政治的思惑"を大きく揺さぶったと思います。

私がもう一度みたいパフォーマンスはライサのものではないし、アスリートも我々観客も一目置くのはライサではなくプルシェンコその人です。
プルシェンコその人がリンクに帰ってきたことで、私たちは「フィギュアの大いなる後退」を改めて目の当りにしたし、優等生の無難な演技はつまらない、と感じはじめています。
それは選手達も同じなのでしょう。
今季ほど第1グループで滑走する選手がクワドにチャンレジしてきた年はありましたか?

次のソチでは、(爆アゲもないし笑)プログラムにクワドがなくても3Aで転倒するような選手は、いくらスケーティングが流麗でも、上位にくることなど決してないでしょう。

プルシェンコは偉大です。
プルシェンコファンはもっと胸を張っていいと思いますよ。

匿名 さんのコメント...

こんにちは!
私はフリー終了後からようやく心が落ち着いてきました。
プルシェンコを知らない人達…特に若い世代の人は、4回転論争に嫌気が差しているのではないでしょうか。私にはそういう一面的に情報を鵜呑みにして、プルシェンコという偉大な人物をネットという何万人にも見られる場所で貶めることに我慢なりません。
ここ以外の他の人のブログを見ることもできないです。正直恐ろしくて。


プルシェンコは10代後半からばんばん試合にクアドのコンビネーションを入れていますし、ソルトレイクシティでは多くのクアドジャンパーがいました。本田さんも含め、個性と才能に満ち溢れた素晴らしい時代です。

今安全策というとクアドなし、という選択になりますが、当時の上位者の安全策といえば「クアドは一度しか跳ばないようにする」でした。
改めて今のレベルの退化ぶりがうかがい知れます。
プルシェンコは15歳のときに何かの記事で「これからもっとフィギュアスケートは進化していくべき」というような発言をしていましたし、最近のクアドレス優勝者には悔しい思いがあったろうと思うと悲しい気持ちです。
しかし、それを一般人が理解する機会はない。もう一度ソルトレイクシティの、熱い戦いをテレビで流すべきではないかとさえ思います。


どうかプルシェンコを悪く言うような報道だけはしないでほしい。
取材で彼は「ライサテェックは20年前のスケートだ」と言ってました。
 (→申し訳ないですがニコニコ動画からです⇒sm9773481
20年前の選手に対しての敬意もありましたが、なかなか説得力のある意見だと感じました。当時よりも更に皆を驚かせるような、素晴らしい技術を創り上げて行かなければならない。
その上での『4回転論争』だということを知ってもらいたいですね。

もちろんライサテェックが悪いわけではないですが、ブログ主さんのおっしゃるとおり、心中は複雑な金メダリストになってしまいました。
ジョニーの演技、どう考えてもあの点数はありえません。稀に見るすばらしい演技だったのに…。彼のスケートはまた見たいと思わせるような、客を引きこみ魅せることのできるものでした。採点のより細かい点数配分が知りたいものです。


今ここでなにごともなかったかのように新採点方式が続行されれば、さらに技術は落ち、フィギュアスケートは人気をなくし廃れていくでしょう。
これって結局は以前活躍した選手をも否定しかねないことですからね。
ソルトレイクの経験から改善しようとしてつくった採点方式が、4回転評価が低いなんて、ソルトレイクシティでのあの見事なスケーティングを否定しているのでしょうか。ステップもあの当時のでは今の採点基準で高得点はとれないらしいですし。



旧採点方法に戻せとまではいえませんが、より改善しない限りプルシェンコの危惧する未来が実現してしまうでしょうね。
そうなれば個性のないお手本のような演技ばかりのスケート界に興味を持つ人はいなくなるでしょう。
プルシェンコやヤグディン達のクアドに皆が夢中になり感動したのは紛れもない事実ですから。


長文申し訳ありません。
ブログ主さんのショックが伝わってきて動揺してしまいまいた^^

縁 さんのコメント...

こちのブログはとても興味深く、さかのぼって読ませて頂きました。
私は高橋大輔君のファンで、最近男子フィギュアスケートに興味を抱き始めました。

採点に関しては素人で詳しく分りませんがこの度のプルシェンコの存在は貴重だったと思いますし、こちらで得た知識はこれからフィギュアスケートを観る上でとても参考になりました。まずはその事をブログ主様に感謝致します。

にわかファンが言うのも何ですが…見る側の成熟度によってこの「4回転論争」の意見が変わってくると感じますので、ブログ主様あまり落胆されませんように…。

私はこちらで十分プルシェンコの素晴らしさを知りましたし動画を見て感嘆しました。
やはり男子なのだからダイナミックな技が決まると興奮と共に爽快になります。それが男子の醍醐味だと思っています。

その事は高橋君も話していましたが、出来れば日本男子は4回転に挑戦し続けて欲しいと私は思います。そしてそのことによりプルシェンコが出て来た意味があると思います。

正直プルシェンコが出てきた時にはもう今の選手達は敵わないと思っていましたから…。
今回の結果はちょっと意外でした。
これから採点方法はどうなっていくのでしょうか?

現役復帰したプルシェンコには辛くてもこのまま戦い続けて欲しいと思います。挑んだからには最後まで結果を出して欲しいと願います。もし、これで止めてしまったらそれこそ「負け犬」扱いされてしまうのではないでしょうか?

この一石は後々「大いなる一石」になると多くのフィギュアスケートファンは感じていると思います。
そういう意味ではプルシェンコはケタ違いに偉大だと心底思われると日が必ず来ると思います。

これからもこちらのブログを楽しみに拝見させて頂きたいと思います。ブログ主様、元気を出して下さいね。

ぷるとら さんのコメント...

はじめまして。こんばんは。
私はトリノでプルシェンコ選手に衝撃を受け、それからたくさんのプルシェンコ選手の動画をみて見事にファンになってしまいました。あんなに輝かしい演技を見てしまったら誰でもファンになってしまうのではないかと思います。

今日初めてこちらのブログを拝見させていただきました。
先日のフリーの後、私も今日までもやもやしておりSEX BOMB等のエキシを見てどうにか気を紛らわしていたのですが(笑)、今こちらのブログを読ませていただき、思いっきり泣いて少しすっきりすることができました。

mixiや他のブログでプルシェンコ選手に対する批判的な内容を見る度、悔しくて悔しくて何も知ろうとしないで批判だけするなんて、なんて視野が狭いのだろうと憤りを感じましたが、同時にプルシェンコ選手の素晴らしさを知らないなんて可哀相だとも思いました。
そんな人ばかりなのかなと落胆した私にとってこちらのブログは本当に救いで、心が楽になりました。大変感謝しております。

プルシェンコ選手の復帰によりもっともっと論争がなされ、選手達の才能や技術が正当に評価される採点方式になることを心から願います。

こちらのブログに希望をいただきました。
ありがとうございます。
これからも楽しみに読ませていただきますね。

hender(mako) さんのコメント...

グールドさん、はじめまして。
(すいません、ちょっと前後してしまいました)
ご感想ありがとうございます
m(o´・ω・`o)m

マスコミの真央sage、キムage報道にもうんざりですが、
それ以上にプルの報道があまりにも偏見に満ちたものになっていて…
しかも、先日TBSの佐野さん
「4年も競技に出ていなかった人が、そんなことをいう資格がない」って…。
いったいこのヒト、なんなのでしょうか?

もううんざりです。

本当につたないブログですが、
これからも読んでいただければ幸いです。

hender(mako) さんのコメント...

chobiさん、はじめまして。
当ブログへようこそです。

本当に今回のプルの発言、
あまりにも誤解が多すぎて、

海外ではちゃんとプルの真意を読み取った上で報道されていますが、
わが日本では…
なんだか「悪者扱い」で…。

あれなのでしょうかね?
高橋選手のメダルを奪うにっくき男、
みたいな感じなのでしょうか?

私はジュベールやアボットも好きなので、
4回転ジャンパーが報われるようになって欲しいです。

hender(mako) さんのコメント...

craftsman さん、はじめまして。

ご感想ありがとうございます。
つたない文章ではありますが、
少しでも真意が伝わってくれれば幸いです。

私も正直、今回の男子の結果を受けて
フィギュアを見るのをやめようかと思っています。
プルだって現役を続行するか分からないし…

私が何よりもショックだったのは、
プルが『負けた』ことです。
実力ではなく、もっと別なものの力によって。
私はプルだけは不可侵の存在だと思っていましたから、よもやプルに手をかけるとまでは思っていなくて…
今回のジャッジにはすごく怒りを感じます。

ライサに関しては…。
ただ、ライサはもっといい演技ができたとは思っています。
でも、どうしようもありません。
ジャッジがそう判断したからには、
結果は結果ですから受け止めなければと思っております。

これからも日記を更新する予定でございますので(これで、女子が男子と同じだったら死ぬと思います…)
見に来てやってくださいませ。

m(o´・ω・`o)m

hender(mako) さんのコメント...

bluedogさん、コメントありがとうございます。

私もフリーに関しては
ライサは1位だったと思います。
プルは完璧ではなかったし、
それでも、調子が悪いなかを最小限のミスでまとめたのはすごいと思います。

ただそれ以上にショートで点数が付かなかったことが…。プル陣営にとっても予想外のことだったでしょうね。

ライサに関しては
不思議と怒りの気持ちが湧き起こりません。
ライサのことが好きだし、
いい人だってことも知ってるし、
彼はやることをやっただけで、
彼を責めるのは筋違いかと思っています。
責められるべきは、いまのシステムであって
ライサ本人ではないと思います。
その点では、bluedogさんと意見は一緒です。

ただ、プルの精神的ショックを考えると…
かなりつらいです。
こんな結末を彼は予想もしていなかったと思いますから。

hender(mako) さんのコメント...

匿名さん、コメントありがとうございます。

日本人選手の活躍で
最近フィギュアに関心を持った人が多いせいか、
昔のフィギュア事情を知らない人が多くて、そのせいで、プルに対してたくさんの誤解が生じていると思います。

私もトリノ以降ファンになった身ですので
えらそうなことはいえないのですが…。

プルはヤグディンとともに『4回転時代』を支えてきた人ですから、
やはり技術が退化していくことには耐えられなかったのでしょうね。
あの時代の人たちの4回転にかける情熱は
凄まじいものがありましたから。
アメリカのワイス選手の4Lzとか…。
いまの採点システムならこんな馬鹿みたいなこと、やってみようともしないでしょうね。

『演技の完成度』が勝敗を分けたのであれば、ジョニーの『完成度』に対しての評価はどう考えるのか。対して、チャンは…。
彼のビッグマウスにはうんざりです。

プルがいまいろいろと抗議を用意しているそうですから、
これをきっかけに採点システムの見直しをしてもらいたいです。

hender(mako) さんのコメント...

縁さん、はじめまして。
コメント返すの遅れてしまって
申し訳ありません。(;´・ω・`)ゞ

たいした知識を披露しているつもりはありません。
他の方から見れば間違いは多いし、
私もトリノ以降のニワカファンなので
未熟なところが多々…

それでも、少しでもお役に立てたのであれば幸いです。

高橋選手、すばらしい銅メダルでしたね。
でも、Pチャンの点数より下だったというのは納得いきません。
もし高橋選手がもうひとつミスしていたらと思うと、ぞっとします。

私は高橋選手のフリーのプログラムこそ、
『理想のプログラム』だと思います。
アボット選手のフリープログラムもそうだと思いますが。
つなぎが多く、かつ、難度の高いジャンプ構成。
もし高橋選手が成功させることができたら、
世界一だと思います。
そして、プルもそんな高橋選手に負けても
たぶん素直に結果を受け入れるでしょう。

今日の女子もそうでしたが、
女子で史上初のSPで3Aを決めたにもかかわらず、誰も大きくその以上を記事にしないのは、いまのフィギュアの現状をよく物語っていると思います。
プルが嘆いている現状そのものだと思います。

まだ女子が残っていますので、
更新する予定でいます。
あと、プルのことなんかも。
もしよければまた見に来てやってください。

hender(mako) さんのコメント...

ぷるとらさん、はじめまして。
すっかりレスが遅れてしまいました。
申し訳ございません。

私もトリノでプルを見てから、すっかり彼のとりこになったひとりです。
彼のSPはもう一人ネ申でした。
高橋選手のあとに見ただけに、もう…。

私もプルのあの結果にはただただ涙をするばかりでした。
FPが終わって点数が出たあとの彼の苦い表情…。
あれを思い出すたびに泣けてくるのです。
あの無敵だったプルが、
よりによってライサに負けるなんて…。

しかし、今回のプルの敗北は絶対に今後の流れを変える大きなきっかけとなると思います。それに次の五輪はソチですからwww
いまの北米の選手たちは報復を受けることでしょう。

でも、そういう国の思惑とは別に
すばらしい演技をしたものにはそれなりの評価をしてほしいです。

匿名 さんのコメント...

はじめまして。いつも興味深く拝読しています。

もともとロックの記事のほうからこちらにたどりつき時々読ませていただいていました。たまたま今回のオリンピックで何かと話題になっているのでフィギュア・スケートに関心を持ち、あれこれ過去動画や情報を漁っているうちに偶然にもまたこちらにたどりついて、びっくりしました。

今ではロシア、フランスの選手を中心に過去の演技映像を見まくっています。特にプルシェンコ選手の神(競技)&珍(エキシ)演技は、一度見たら忘れられない、そして何度も見たくなる、中毒性の魅力がありますね。

フィギュア・スケートの採点方法や競技としての展開の歴史を分かりやすくまとめてくださって、初心者としては、とても重宝しています。ありがとうございます。

本当に、現在の採点方法はおかしいとつくづく思います。日本や北米のメディアではジャンプか表現力かということに議論が集約されてしまいがちでとても残念に思っています。ジャンプ力もあって表現力もあるというのが少し前まではトップ選手には当たり前だったのに(これは、見やすい時間にテレビ放送しているような大きな大会しか見てこなかった私のような人間にも、わかっていました)。

それに、現行ルールでの「表現力」とやらでも明らかにもっと上位に行ってよいはずの選手の点数が抑えられていて、ことフィギュアのシングルに関しては、非常に後味が悪いオリンピックでした。

ただ、ちょっとだけ、書き込みで違和感と不自然な力みを感じがしたところがありましたので、敢えて苦言を呈させていただきます。

カナダのスケート界のトップがおかしい(ようだ)というのはなかなか説得力がありますが、カナダのスケート界の人々全体、ひいてはカナダ人全体を軽蔑するような、一般化する表現が次第に目立ってきているのが、気になります。

スケート界の人でも、ストイコのように。現行の採点方式に賛同しているわけではない人もいます。ストイコ氏は、確か、一部の選手だけに加点がインフレ気味なことを批判し、プルシェンコ氏の意見に賛同を示す記事を北米のメディアで堂々と出していますよね? それなのに、彼も「カナダの陰謀?」に加担していた形跡のある発言をしているのでしょうか? 私がよく知らないだけかもしれませんが。

それから、「カナダ人」という総称を何度も用いて批判していらっしゃいますが、これは、読み手に誤解を与える表現だと思います。一般のカナダ人がロシア嫌いだと思いますか?そもそも「一般のカナダ人」って何でしょう?

カナダに友人もおり、カナダとアメリカなど他の国々に住んでいたことのある私から見ると、カナダとアメリカは相当違います(どちらかと言うと、アメリカとの差異化を図ろうとするからか、カナダでは欧州との歴史的つながりを強調することが多いです)。

さらに、もともと多様な人々(アメリカではNative American、カナダではFirst Nationと呼ばれています)が住んでいた土地に様々な国・地域の人々が移り住んできている国ですので、日本では想像できないほどに、実は、現地の人々の考え方はバラバラです。カナダでは情報を得るメディアもいろいろで(都市部だけかもしれませんが)、北米・南米・欧州・アジアのテレビ番組もケーブルテレビで簡単に見ることができます。日本のようにメディアの論調が一定ではないうえに、情報源も多様なのです。

ですから、アメリカの報道は冷戦時代の名残でロシアを敵視するような傾向が強いのかもしれませんし、カナダの英語系メディアにもそのような側面があるのかもしれませんが、そこから「カナダ人一般」の傾向を割り出すのは、非常に危険だと思います。

(もしかしたら、ここではフィギュア・スケート界について書いているので、表現を短くして「カナダ人」としたのかもしれませんが、それでも、やはり、問題のある発言だと思います)

また、全体主義国家ではないので、国を挙げてのプロジェクトと考えるのも、やや不自然だと思います。せいぜい、一部の業界(エンタメ業界?)とスケート業界、それに関係する一部の政治家(日本風に言うと「スポーツ族」ですかね?)の癒着なのではないでしょうか。

ついでに言うと、私もお隣の国の「集団的愛国心」には時々閉口いたしますが、こちらもやはり一枚岩ではなく、いろいろな人がいます。親しい友人もいます。ですから、隣国の人々全体を揶揄するような最後のほうの文面も、どうかと思いました。

要は、一部の国(カナダetc.)のスケート(というか、フィギュア・スケート)界のお偉いさんが腐っている、ということにすぎないのではないでしょうか?

おそらく、あまりの理不尽さに義憤を感じてのこととは思いますが、怒りのあまりに、いつもは冷静な文章が、後半にいくにつれてとても偏った論調になってしまっているのが、とても残念に感じました。

なにはともあれ、これからも鋭い分析を期待しています。長文失礼。

匿名 さんのコメント...

先ほど、「カナダ人を一般化する書き方は誤解を招く」と投稿した者です。

冷静に読み返すと、私の書き込みもちょっと感情的になってるかもしれませんね。すみません。

あと、「国家的プロジェクトのように考えるのは不自然」と書きましたが、もちろん、その可能性が無いわけではありません。ただ、カナダでは、冬のスポーツの花形は圧倒的にホッケーとカーリングなので、そこまで「国」をあげてフィギュア・スケートに肩入れするかなーという感想を持ちました。

ただし、某隣国の場合は、もちろん、その可能性あります。残念ながら。日本もそうですが、それ以上に政財界の癒着(賄賂などなど)が問題になってるところですし。

いずれにしても、なんかモヤモヤした気持ちが抜けないですね。オリンピックはもともと国威発揚に利用される側面が多い競技会ですが、冷戦の時代と違って、今は政財界の介入が見えにくくなっているのが、余計に気持ち悪いです。できるだけ演技の素晴らしさや選手の頑張りに見る者が集中できる会にしてもらいたいものです。

気分直しに、素晴らしい演技映像を見て、寝ることにします。コラムの続き、楽しみにしています。

匿名 さんのコメント...

はじめまして。完全な通りすがりですがコメントさせてください。

トリノのときプルシェンコの演技を見て
「やっぱ男子は違うよな~楽しい♪」と
単純に思いました。今回のオリンピック
まで彼が男子の中でも特別な存在と気付か
なかったニワカです^^;

ただ、彼の演技は何度見てもかっこいいし、
楽しいし、感動する。自分のような技術も
わからないニワカにでも強烈なモノを与え
てくれるすごい人だと思います。

今回の男子の結果について疑問符をつけられるほど自分は見識はありませんが、彼を単なる「負け犬の遠吠え」などと罵る人達にだけはどうしても負の感情を禁じえません。「四回転だけの男」とかもう信じられませんよねw芸術点満点だした人に。まぁそういう方々は「過去の演技なんて関係ない」と仰るんでしょうが。そういう方々はえてして今回の演技のジャンプ以外の項目を批判するとかは全然しないんですよねw

このネット社会でそこまで断片的な情報で人を批判(というか稚拙な非難)をする方々が大勢いることに危機感を感じます。スポーツだけの話じゃないですよね。まぁそれはおいといて^^;

今回自分はプルシェンコがより好きになれました。そういう意味では個人的には「本当に批判されなければいけない対象」に感謝したい、とも言えます。いや、それはフィギュアファンの方に失礼だな;;撤回します^^;
ここまで具現化しないと知ることができない情報弱者な自分に嫌気がさしますが、まぁ気付いただけよしとします(自分に甘い・・・)。

これから議論がなされると思いますが、現時点ではプルシェンコと浅田真央がそろって
「プラチナメダル」を取ったということで納得しますw

匿名 さんのコメント...

hender(mako) さん、
はじめまして。
どうぞ、「踏み絵」を踏んでから、お話ください。↓

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