2008/08/14

やっぱ『Ⅲ』『Ⅳ』もかっこいーじゃないかO(≧▽≦)O


i-podのいいところは、CDを入れ替えなくても
好きなアルバムを連続で聞くことができるところ。
この『Ghorsts Ⅰ-Ⅳ』も、CDをわざわざ入れ替える必要がなく、
2枚立て続けに聞けるのですごく楽。
しかも、聞けば聞くほど素晴らしい。
前に『Ⅰ』『Ⅱ』のほうがおススメと書いたけれども、
『Ⅲ』『Ⅳ』もめっちゃいいね。
聞けば聞くほど味が出るというか。

わたし個人の考えとしては、音楽には二つのタイプがあると思うんですよ。
まずひとつは、はじめに聞いたときから音のフックが
耳に残ってものすごいインパクトを残すタイプ。
ヒット曲というのは、たぶんすべてここに分類されると思う。
そしてもうひとつは、はじめはよく分からないんだけれども、聞き込むたびに
アーティストの意図や考えが分かり始めて、
音の素晴らしさがどんどんわかるというタイプ。

どちらがいいというわけではないけれども、
でも、トレント自身が言うように、
いい曲というのは必ずしも耳馴染みのいい曲ばかりではなく、
最初聞いたときはまったく分からないけれども、
どんどん聞き込んでいくうちに、
その曲の本当の素晴らしさが分かる場合もあり。
そして、そういうタイプの曲を作っているバンドのほうが、
ずっと生き残りやすいような気がする。

もちろんNINもこのタイプのバンドだと思う。
ただNINが他のバンドよりも優れているのは、
前者の『ヒット曲』を作ることができるということ。
前衛と大衆の両方を作れるんですよね。
これはすごいことだと思う。
トレントの優れた音楽センスがなければできないこと。

『Ghorsts Ⅰ-Ⅳ』は明らかに後者のタイプに属するので、
難解な音楽を好まない人にはキツいかもしれないけれども、
でも、本当に素晴らしいよ、このアルバムは。

『Ⅰ』『Ⅱ』は環境音楽やポストロックっぽい作りだったのに対して、
『Ⅲ』『Ⅳ』はノイバウテンなどの初期インダストリアル音楽のテイストが強い。
でも、NINおなじみのポップとしてのインダストリアルではなくて、
あくまで実験音楽としてのインダストリアルを意識して作っている。
トレントの辿ってきた音の歴史がそのまま詰まっているような。

だからこのアルバムを聞いていると、トレントの影響を受けてきた音がよく分かる。
cureだったり、イーノだったり、ノイバウテンだったり、スロッピング・グリッスルだったり。
本当にさまざまな音楽の影響を受けつつも、
決してその亜流に終わることなく、独自の音楽スタイルを確立してきたトレント。
もしNINを知りたかったら、このアルバムを聞け!と断言していいほどの、
音楽的変遷がよく分かるアルバムです。

いやあ、すごいなあ。このアルバムは。
本当にすごいよ。インストだから、勉強しているときにも聞けるし。
しかも不快じゃないし。聴けば聴くほど味が出るし。
するめみたいな音楽だな。

でも、NINを初めて聞いてみたいヒトにはちょっと物足りないかも。
初心者向けではないので、絶対におススメということはできないです。
だけれども、名盤だよ。

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