2009/03/29

2009世界フィギュア 女子FS 感想その2~台落ちしたことがそんなに悪いの???

それに、またまた某2ちゃんで大騒ぎになってますが、
タラソワが新採点法をわかっていないという批判も的外れな気が。。。

彼女は荒川静香さんですでに痛い経験をしている。
なので、二度と同じ過ちは繰り返さないと思う。
おそらく新採点法に詳しいスタッフをそばにおいているだろうし、

何よりもタラソワの作ったプログラムで
ライサチェック選手が優勝しているではないですか。
もちろん、後にローリー・ニコルに手直しをさせていますが、
基本的な振り付けは変わっていない。
彼が優勝できたのは4回転を飛ばなかったからというだけ。

もちろん今の採点法が無難な技をやったほうが点数が高く出るのはわかっています。

でも、いくら技ができても、ジャンプのスキルが高くても、
簡単な技を確実にやるよりも
難しい技をやって、かつ、それを確実にモノにして、
GOEも高くつくようになればどうなります???
鬼に金棒じゃないですか。

キム選手は確かにすごいですけれども弱点も多い。
ジャンプのスキルは高いけれども、その代わり難易度の高いジャンプはできないし、
意外とほかのジャンプの成功率も低い。
SやLzがすっぽ抜けることも多いし、loなんて飛べないんだし。

さらに、スタミナがまったくない。
FSをミスなく滑りきる体力がまったくないのは考えもの。

みなさん、気づいていないかもしれないですけど、
彼女、シニアに上がってから、このスタミナの部分、一度も改善されていないんですよ。
ということは、オリンピック・シーズンでも同じでしょう。
もともと体力がない選手なのです。

それに、彼女はまったく柔軟性がないし、音をとる才能もない。
表現力が豊かだといわれているけれども、芸術性の高さは真央選手のほうが上。
欧米の解説者たちがそれを認めているんですから。

それでも、彼女が強いといえるのは新採点システムに最も適応しているため。

それと、自分の弱点をよく知っているということ。

自分にできる技が少ない分だけ、
その少ない技でどれだけ最大限の力を発揮させるかを
周りのスタッフがきちんと考え、
またキム選手もそのことを最もわかっているから。

そういう点ではカナダ・チームはうまく機能していると思います。

しかし、同時に彼女には伸びしろがない。
これ以上難度の高い演技構成プログラムは組めないし、
せいぜい入れることができても、3Lz-3Tのジャンプだけでしょう。

でも、真央選手はまだまだ伸びしろがある。
3Aができて、エッジエラーや回転不足があるにしろ、
ほかのジャンプもしっかりと飛ぶことができる。

あとは、確実性を高めるだけ。
難度の高い技を確実にこなすことができるようになりさえすれば、
キム選手がどうあがいても勝てない。
それと、スピン、スパイラルのレベルの取りこぼしを完全になくすこと。

プルシェンコがあれだけ強かったのだって、
PCSが異常に高かったからではない。
4T-3T-2Loのコンビネーションジャンプを
だれよりも高い確率で飛べることができたからなんですよ。

見てください、これを。

  99-00 GPNHK杯
  99-00 GPファイナル第2FS
  00-01 スパカッセン
  00-01 GPNHK杯
  00-01 ロシア国内
  00-01 ユーロ
  00-01 GPファイナル第1FS
  00-01 GPファイナル第2FS
  00-01 ワールド
  01-02 Goodwill
  01-02 スパカッセン
  01-02 GPファイナル第1FS
  01-02 ロシア国内
  02-03 ワールド
  03-04 GPラリック
  03-04 GPロシア杯
  03-04 ロシア国内
  03-04 ユーロ予選
  03-04 ユーロ
  03-04 ワールド
  04-05 GPロシア杯
  04-05 ユーロ
  05-06 五輪

某所から転載してきたんですが、なんだと思います?
プルシェンコが4T-3T-2Loを成功させた大会です。

ちなみに、同じく4T-3T-2Loを成功させたステファン・ランビエール選手は

05-06 五輪

… …( ̄。 ̄;) 

ね? お分かりになったでしょう?

プルシェンコの本当の強さはここ。

確かに旧採点法は、回転不足に甘かったし、
大技を決めれば簡単に6.0とか出していたから、
新採点法のもとではもっと成功率と得点が下がったかもしれないですけれども。
わたしが見た限りは、4T-3T-2Loにいたってはほぼ完璧。
彼のジャンプは高さはそれほどないが、回転速度が異常に早くて
完全に回りきってから着氷できるので、回転不足という問題はほぼなかったかと。
実際にトリノ五輪でもGOEが高くついているわけだし。


難度の高い技を確実に決める、これが最も重要なんです。


そして、タラソワもきちんとそのことを考えている。
3Aをより高い確率で成功させること。3-3のコンビネーションジャンプも同様。

それに、これは個人的な見解ですが、
彼女は浅田真央選手をなんとしてもオリンピックで優勝させたいと思っていますよ。
その思いは、だれよりも強いはず。

もちろん浅田選手の才能にほれ込んでいるということもあるでしょうけれども、
彼女はなによりも実績がほしい。
彼女が持っていないのは女子シングルの金メダルだけ。
ここでぜひとも金メダルを取り、実績を作っておいて、
ロシアのスケ連の印象をよくしておきたいはず。
バンクーバーの次のオリンピック、ソチ五輪は母国ロシアでの開催なのですから。
将来的にロシア人選手のコーチをするためにも、
浅田選手をなんとしてでも金メダリストにしないと。

そういう意味でも、タラソワはかなり本気だと思う。

彼女だって何十年もフィギュアの世界にいるわけですから、
耄碌したとか、隠居状態で何もわかっていないとかいうのは的外れ。

じゃあ、彼女を批判する人に聞きたいですが、
あなたはいったいフィギュアのなにをわかっているんですか。

第三者の立場に立って、その裏事情もよく知らないで、
ただ言いたいことを言っているだけではないですか。

タラソワのほうがずっと実績があるんだし、
フィギュアの世界の裏の裏までよく知っている。
もっと彼女のことを信じてあげないと。

わたしはタラソワは絶対にやってくれると思いますよ。

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